有料老人ホームでの虐待が発覚しましたね。安心して暮らせる老人ホームはあるのでしょうか。まずは、加害者となる老人ホームで働く介護職員について少し理解しておく必要がありそうです。
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虐待がおきてしまう背景
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介護職員による高齢者虐待が増加している理由としては、
ことがあげられます。
私はよく、介護は生活の一部だと言いますが、介護職員にとっては生活の一部ではないのです。認知症ケアの現場を体験して、びっくりして辞めていく職員も多いです。生活の一部だから誰にでもできると勘違いしている人が多いからです。
生活の一部で介護ができるのは、ご本人のご家族だけなのです。介護職員は、そのご家族の大切なご本人様を、自分も大切に思い介護し、ご本人らしく生活していただく、と思う気持ちが大切なのです。その思いに欠けている職員が虐待をする傾向があります。
なぜ介護職員が少ないのか
重労働な勤務内容の割に低賃金という過酷な勤務体制にあります。
国家資格である介護福祉士取得者であっても、低賃金である為、辞めていく人が多いのも現実です。
質が悪い介護職員を解雇できない現実
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有料老人ホームなどは、民間の運営なので、入居者の料金設定のしばりはありませんが、
有料老人ホームを運営するにあたり、国が定めた所定の職員数が決まっています。その為、とりあえず働きたい求職者を安易に雇わざるを得ない現実があります。
悪質老人ホームは、ほんの一部
ニュースに出ると、全ての老人ホームで高齢者虐待が常にあると考えてしまいますが、悪質な施設はほんの一部です。介護福祉士でも乱暴な職員もいますし、にわかに働く介護職員でも、思いやりをもって働いている人もたくさんいます。
虐待防止とプライバシー保護の葛藤
虐待が発覚し、確信を掴むには、一目瞭然の証拠を映す隠しカメラが有効となっています。
居室などにカメラを設置すれば安心できるのに、なぜしないの? とお思いの方も多いと察しますが、それは同時に、入居者様のプライバシーを奪うことになります。
残念ながら、介護職員を信用するしかないのが現状です。それでも、虐待している職員がいれば、職員の間では、かならず気づくものです。現場での声を真摯に受け止める老人ホームが増えていくことを祈るばかりです。
あなたの街に必ずある高齢者虐待相談窓口
2006年4月から、高齢者虐待防止法が施行されています。
老人ホームを追い出されたら困るという心配も先立ちますが、虐待は我慢するものではありません。 虐待に気づいた時に、または気になる程度の時でもかまわないので、相談窓口にいきましょう。上手く説明できなくても、担当者が対応し、必要があれば、保護する方法を一緒に考えてくれますよ。(執筆者:佐々木 政子)