財形貯蓄や自動積立定期預金などを利用して、コツコツとお金を貯めておられる人も多いと思います。
一方で、資産運用や投資となると「まとまったお金がないとできない」と思っている人も多いようです。
また、やってみたいけど勇気がない…。損をした時のことを考えると、やっぱり怖い…。そんな声も聞こえてきます。
今、日本はインフレターゲットの導入後、長引くデフレから脱却し、インフレにシフトしています。インフレの時は、モノの値段が上がり、その分お金の価値が下がることになります。
目次
インフレでは物価が上がり、お金の価値が下がる
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具体的にみてみましょう。
100万円を金利0.2%の定期預金に1年間預けたとします。1年後には100万2,000円となります(利子課税は考慮せず)。
では、定期預金に預け入れしている間に、2%のインフレが起こったとすると…。
実質的なお金の価値は
となります。
今日、100万円のテレビがあったとしてください。1年後に102万円になることが、2%のインフレです。
今日、100万円の現金があれば、テレビを買うことができます。1年後は、テレビは102万円になっているのに、満期を迎えた預金は100万2,000円。これだと1年後はテレビが買えなくなります。
今、金利がインフレ率よりも低いため、預金はこのように実質目減りしているという訳です。「資産運用は損をするかもしれないけど、預金は元本割れしないから安心。」は、今の日本において、間違った解釈だということです。
ではどうすればいいのか?
“貯める”だけでなく“増やす”ことも考えていきましょう。
資産運用は初めてという方は、積立投資からチャレンジすると良いでしょう。一攫千金は期待できませんが、5年、10年という期間で積立投資を続ければ、利益が出る可能性は高くなります。
また、継続は力なりで、毎月3万円を年率5%で運用できたとすると、
20年間で約1,230万円(投資元本は、3万円×12か月×20年=720万円)
30年間で約2,500万円(投資元本は、3万円×12か月×30年=1,080万円)
となります。
その積立投資には、るいとう(株式累積投資)や投資信託を毎月一定額で継続して買っていく方法があります。
積立投資のメリット
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少額から運用できる
投資信託を使った積立の場合、金融機関によって最低積立額は異なりますが、1万円以上1000円単位というのが多いようです。中には、1000円から1000円単位というところもあります。積立投資なら、まとまったお金がなくても始めることができます。
「まとまったお金ができたら運用を始めたい」という声も聞きますが、運用資金が貯まるのを待っているとなかなか運用が始められません。運用期間が長ければ長いほど運用効果が高くなるのが積み立て投資です。
値下がりしても安心
どの株や投資信託も、株価や基準価格が変動します。株や投資信託をまとまったお金で一度に買うと、買ったときよりも価格が上がらない限り利益はでません。
一方、積立投資は、毎月の同じ購入金額なので、株価や基準価額が高いときは買える株数・口数は少なく、安いときは買える株数・口数が多くなります。積立投資の場合、始めた時よりも価格が上がっていなくても、利益を出すことができます。
金融機関によっては、NISAの対象となる投資信託でも1000円から買うことができるうえ、証券会社や銀行によっては積立投資することもできます。これから資産づくりを始める人や、運用をしたことが無い人もNISAでの積立投資を始めてみてはいかがでしょうか。(執筆者:渡辺 紀夫)