介護サービスを開始してから、「訪問介護サービスのホームヘルパーを頼んだのに、家族の負担はあまり変わらない」と思えたり、「1割負担と聞いていたのに、実際は意外に利用料金が高い」など、不満の声を耳にすることも少なくありません。
これらは、最初に作成するケアプランに問題があることが多くみられます。今回は、介護サービスを無駄無く利用し介護費用を抑えるコツを見ていきたいとおもいます。
家族に介護が必要になったら、まずは介護保険の要介護認定を受けます。要介護認定を受けると、ケアマネージャーと呼ばれる有資格者で介護経験のある専門員が担当となり、要介護者やその家族と一緒にケアプランを作成します。
介護保険の介護サービスは、ケアプランを中心に展開されていきます。介護サービスをどのように利用していくかをケアマネージャーと話し合います。
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目次
コツはケアプラン作成時に有り
ケアプランを立てる前に、ケアマネージャーは、ご本人の希望やご家族の要望を聞き取ります。この時、介護サービスの内容や料金の説明を受けても、利用する側は初めてのことでピンとこないのが普通です。
ですが、よくわからないからといってケアマネージャーに任せきりにしていると「お任せプラン」になることがあります。
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ケアマネージャーも介護のプロなので、無理矢理に高額な介護サービスを提案したり、不要な介護サービスを取り入れることはありません。しかし、利用するご家族の要望や、介護を受けるご本人の希望の理解が足りないと、
ズレた視点からのプランニングがされてしまい、介護負担は減らないのに介護費用だけがかさむ事態になります。
ご家族からプランが合っていないのでは? と気付くことは、容易ではありません。
介護は毎日のことですし、忙しく過ぎていく時間の中で、見直しのタイミングが掴めず継続されてしまうケースも少なくありません。
「お任せプラン」にならないために
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担当になったケアマネージャーを信頼することは、悪いことではありませんが、
信頼するあまり任せきりにしないことです。
ケアマネージャーは、介護サービスの提案をしているだけで選ぶのはご本人やご家族です。
介護サービスがよくわからず選べない時は、ケアマネージャーと話し合いながら、一緒に選んでいくようにしましょう。ご本人やご家族の要望を細かく伝えることで、必要な介護サービスを選び無駄の無いケアプランが出来上がります。
各介護サービスの計画書もチェック
介護サービスの事業所は、ケアプランをもとに独自のサービス計画書を作成しています。この計画書も、ご本人やご家族の希望、要望が反映されます。積極的に確認するようにしましょう。
ケアプランの「見直し」は義務
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あまり知られていませんが、介護サービスは、基本利用料の他に、別途加算料金が発生するサービスがあります。また、デイサービスなどの通所介護では、利用する時間で料金が違います。 ショートステイなどの数日のお泊まりも、個室か大部屋かの部屋のタイプで若干料金がかわります。
ケアプランの「見直し」の時に、加算や利用する時間なども、今後も必要なのかを話し合うと有効的です。1円でも安く考えるのであれば、受け身にならず、主体となって一緒にケアプランを考えたいものです。
要介護度によって支給限度額がありますが、支給限度額を一杯まで介護サービスを利用する必要はありません。ケアマネージャーと積極的に会話することで、本当に必要なサービスがみえてきます。ケアプランはご家族が作成することもできます。
実際に、要介護度5の方で、自分たちに必要なサービスを吟味して、1円でも安く、更にきる限り希望に添えるプランをめざして、ケアプランを立てているご家族もいらっしゃいます。
いつまで続くのか、先の見えない介護だからこそケアプランや見直しのポイントをおさえて、介護費用を1円でもおさえていきたいものです。(執筆者:佐々木 政子)