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在宅介護の過酷な現状がクローズアップされるようになり、介護保険のこともなんとなく身近に思えるようになられているのではないでしょうか。
ご家族の介護が始まると、要介護認定を申請し、ケアマネージャーにより介護サービスの計画を立てて必要な介護サービスを受けるという流れが一般的です。
要介護認定を受けても、必要がなければ介護サービスを受けなくてもよいのですが、ケアマネージャーが提案したプランだからと無駄に利用されている方も少なくありません。
目次
まずは、自分にできる介護を書き出してみる
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働いている方も、老老介護などで時間が自由に使える方も1日の生活の中で自分にできる介護を考えてみましょう。
ここで注意が必要なのは、時間が自由にとれるからといって、全部を自分で頑張ろうとはしないことです。自分の時間を持つことは、ストレス解消になり、結果的には良い介護に結びつきますので、しっかりと自分の時間も考慮しておきましょう。
次に、できない介護を書き出してみる
普段の暮らしの中で自然に介護ができる方はほとんどいません。
脳卒中の後遺症などで半身に麻痺が残ったまま退院されたケースなどは、退院時に移動の仕方など指導を受けたからといって、理解し要領を得るまでに時間もかかるものです。
ふいに転倒したことから、背骨の圧迫骨折や足の付け根の大腿骨の骨折など半寝たきりの排泄の介助など、どうしたら良いのか手も足も出ないというご家族がほとんどですが、これはできなくて当たり前のことです。
書き出すことで介護サービスを利用するべき点が浮かんできます。
介護サービスが入ることで、いろいろな情報や介護の知恵も知ることができますから、慣れないうちは介護費用がかさむという理由で1人で抱え込まず、介護サービスのスタッフと一緒に介護をすすめるという姿勢もよいと思います。
様子がわかり日を重ねていくと、気を抜いて良いところがみえてくるようになります。これなら、自分でもできそうだなと思うところがでてきたら、介護サービスを中止して自分が行うようにすれば良いのです。
但し、介護費用を減らすが為に介護者の負担にならない範囲で検討することが大切です。
介護に関われる家族、親族を書き出してみる
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高齢の親御さんと同居されている方、近隣遠方から出向いて介護されている方様々です。
お子さんが何人かいらっしゃる場合は、日替わりで何日かずつ交代で泊まることで、ショートステイ(短期入所サービス)を減らすことができます。
ショートステイ(短期入所サービス)は基本の費用だけを考えると1日の料金は1000円前後ですが、実費として3食の食費や日用品費が別にかかるので、一回に3泊の利用をご家族がサポートすることで、介護費用の削減が可能になります。
近所に住んでいる家族がいたら、食事をいつもより多めに作って1食届けるだけでも、配食サービスの1回分が削減できます。
毎日でなくてもよいのです。月に1回でも、3ヶ月に1回でも介護費用を削減できたことになるのですから。
家族は財産
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家族は介護生活を送るうえで、大切な財産になります。家族のできることや、介護できる時間帯や日を具体的にケアマネージャーに伝えることで、家族のサポートを踏まえた上でのケアプランを立ててもらえます。
ここでも大切なことは、無理はしないことと押し付け合わないことです。ご家族もそれぞれの生活があるので、できる範囲で提案していくことです。
また、決めたからといって必ずとは決めないことも重要です。できる人ができる時に、またお互いが頼みやすい信頼する気持ちも忘れないようにしましょう。
おひとり暮らしの高齢者の方や、頼れる家族なく1人で介護を頑張っている方も、地域に目を向けてみましょう。
あなたの地域のご近所のサポート力も活気づいています。介護サービスとしてではなく、介護保険とは離れたところで、あなたの介護の力になってくれる無償のサポートがきっとありますよ。
ご家族が集まる機会の多いこの年末年始に是非、介護について少し話してみるのも良いかもしれませんね。(執筆者:佐々木 政子)