昨年10月5日にマイナンバー制度(正式名称は社会保障・税番号制度)が、施行されました。
このマイナンバー制度は、マイナンバー制度の内容よりも「メリットはあるの?」という話題の方が大きく取り上げらたことから、あまり需要がないのではないかと思われている方も少なくないようです。
社会保障・税番号制度という正式名称から、高齢者の方にとっては収入がないからすぐには必要ないと勘違いをしてしまいがちですが、このマイナンバー制度が実は介護分野にも多いに必要になってくることが明らかになってきました。
今回は介護分野におけるマイナンバー制度について少しみていきたいと思います。
目次
介護保険利用にマイナンバーが必要
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高齢者の方にとって、マイナンバーは年金に少し関係するくらいの認識でいらっしゃる方が多いようですが、
今年2016年1月1日以降、介護保険法施行規則に基づく申請事項にマイナンバー記載が追加されるようになりました。
例えば、
・要介護認定の申請
・要介護認定の更新
・要介護認定区分の変更
・高額介護サービス費の支給の申請
など、詳細はいろいろありますが、普段よく使われている項目をいくつかあげてみるだけでも、介護サービスを利用するためにはマイナンバーをしっかりと管理しておいたほうが良いことがわかります。
マイナンバー詐欺から守る
実際に通知カードが届き始めていますが、高齢者の方は把握されているようでいて、実は慌ててしまう方も多いのが実際のところです。
マイナンバー詐欺が通用してしまうのも、悲しい事実ですが、納得させられてしまいます。親御さんと同居されている方は、通知カードの知らせを耳にすることもあるでしょうが、遠方に住まわれいる方には、通知カードが届いているのかを一報確認されると安心ですね。
通知カードやマイナンバーに関係する知らせが届いたらまずは家族に知らせる、という約束をご本人としておくとマイナンバー詐欺を避けられます。
介護施設での入居者のマイナンバー取り扱い
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入居者にマイナンバーの通知カードが届いた場合には介護職員が開封することはありません。
ご本人に直接お渡しして管理していただいたり、認知症を伴い認知障害のある方などは、ご家族に取りにきていただくという対応をしている介護施設が多いようです。
マイナンバーの内容を直接取り扱えるのは行政機関に限られています。しかしながら、マイナンバーの意図的による漏えいなどが確認された場合には職員個人に罰則が生じる場合もあるため、介護施設でも個人情報の取り扱いには今まで以上に慎重になるでしょう。
厚生労働省も頼りなく準備をすすめてくれていますが、介護の分野でマイナンバーが活用できる機会はまだまだ限られているようです。
親がマイナンバーについてしっかりと管理できているか把握しておくこともこれからの介護には安心材料になってきます。行政側も曖昧な点が多いマイナンバー制度ですが、介護分野においても、必要になった時にすぐにわかるようにしっかりと準備しておく必要は多いにありそうです。(執筆者:佐々木 政子)