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今回お話を伺ったのは?
パース(西豪州)在住20年の男性。
Japan Australia Settlements Pty Ltd代表の鈴木竜一郎さんは、パース(西豪州)でファイナンシャルプランナー、ビザコンサルタント(豪州)、会計士として活躍中。早稲田大学を卒業後、損害保険会社に約10年勤務。1997年に西豪州パースへ移住し、すでに20年、オーストラリアで生活をしていることになる。
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あなたが「お金の心地いい側面」を感じた時の話を聞かせて下さい!
お金がなくても惨めさを感じない国
―オーストラリアでお金を使うって、どんな感覚なんですか?
もう今年でパース在住20年。確かに物価は高くなったけれど、オーストラリアに住んでいると、「お金がそうなくても生きていけるな」という感じがする。
お金があればあっただけの暮らしもできるし、お金がなくても惨めな気持ちにはならない。
―日本だと惨めな気持ちになる?
なるんじゃない?
たとえば、勝ち組、負け組という表現からしても、そうでしょ。パースは、お金を使わずに楽しめる場所がたくさんあるからね。
例えば、ビーチでバーベキュウ。空気が乾燥していて山火事が多いから焚火禁止なかわりに、市が無料で設置してくれているバーベキュウコンロがあって、ボタンを押せば10分間火がつく。
仲間内で、スーパーで買い物をしてコンロで焼き物をしてお酒を飲んで……というバーベキュウ文化があるんだ。ビール350CC、ワイングラス8分目くらいなら、お酒を飲んでも車の運転はOKだしね。
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「自分が選択したライフスタイル」という意識
―楽しそうな暮らしですね
「お金がないから、お店に行かない」というよりは、「バーベキューを楽しむ」というライフスタイルを自分で選んでいる感じ。
お金がない人達も、負け組として部屋に閉じこもって鬱鬱しているなんていうことはなく、むしろ「ギスギスと仕事をしているお金持ちより、俺たちの方がハッピーだ」くらいのことを本気で言っているよ(笑)。
日本社会は、「お金をたくさん稼げる」ということが重要視されているけれど、オーストラリア社会には、そういう空気感はない。
あくまで、「稼ぐことも、稼がないことも、自分のチョイスである」という感覚なわけ。
人のライフスタイルは尊重するけれど、だからといって人と比べて自分が劣っていると考えることもない。
オーストラリア人は根本的なモノの考え方が違う
―なぜ、そういう空気感の社会なのでしょうか? 国民性? 国の成り立ちは?
オーストラリアという土地は、もともとヨーロッパで軽犯罪を犯した人の流刑地。オーストリアのスタンダードソングの一つに、こんな歌詞の歌がある。
鎖に繋がれて囚人船にのせられてやって来た。
I cleared the land, endured the lash and waited for the rains
土地を耕し、鞭打ちに耐え、雨を待った。
I am a settler.
私は開拓者だ。
I am a farmer’s wife
私は農夫の妻だ。
A convict then a free man I became Australian
罪に服した後自由になり、オーストラリア人になった。
(Australian song: I am Australian /We are Australian の2番歌詞)
こんな成り立ちの国だから、日本とは、根本的にモノの考え方が違う気がする。
自分のことを誰かと比べて相対的に評価するということをしないし、周囲のことも、さほど気にしない。
そんな国民性の違いは、金銭感覚にも出てくるんじゃない? 僕はパースの価値観の方が楽だと感じるな。
パースは住みやすい?
―何をしているのが楽しいですか?
僕はマラソンをするから、キングスパークを走っているだけで楽しい。
キングスパークは、ちょっと小高い丘の上にあって、我が家から1キロ。ワイルドフラワーがきれいだよ。
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―日本食は手に入るんですか?
日本食は、ちょっと割高だけれども、たいていある。
最近では普通のスーパーの一角に味噌やSBカレールーあるし、出前一丁もある。シーフードが美味しいし、野菜も安い。生鮮食料品には消費税かからないからね。
―家賃はどうですか?
オーストラリアは、日本の7倍の面積があって、人口は200万人しかいない。
住めないところも多いけれど、北海道をイメージしてもらえると近いかもしれない。
札幌でも本当の中心部は家賃が高いけれど、ちょっと郊外に出れば家賃はさほど高くないよ。(執筆者:楢戸 ひかる)
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