節約と言うと、食費や光熱費の節約を考える人が多いですよね。たしかに手軽に取り掛かれる支出ではありますが、食費や水道光熱費の節約だけでは限界があります。
根本的に支出を減らしたい場合は、「ここは節約できない」と思っているところにも切り込んでいく必要がありますよね。
「ここは節約できない」と思われがちな支出ナンバーワンと言えば、住居費ではないでしょうか? たしかにいろいろとハードルは高いですが、できないことはありません。
今回は、賃貸住宅にお住いの方の住居費の節約についてお話ししましょう。
目次
月1万円以上の節約ができるというインパクト
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身近な支出の節約では、大きな節約効果は見込めません。すでに節約を意識している支出に関しては、「これ以上減らすには食材の質を落とすしかない」というケースもあります。
一方、住居費の節約というのは1か月あたり1万円以上の節約も実現できる支出です。
しかも、手間がかかるのは引越しのときだけ。引越してしまえば、その後は節約を意識しなくても固定費を節約し続けられるんです。
仮に、家賃10万円のマンションから家賃8万円の物件に引越したとすると、1か月あたりの節約効果は2万円。1年間では24万円、2年間なら48万円の節約になります。
引越し代は元が取れる
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もちろん、家賃の差額や引越しにかかった金額によって、元が取れるまでの期間は変わります。
1か月あたり2万円住居費が安くなり、引越しに50万円かかったとしたら、2年と1か月で元が取れることになりますね。
ただ、もし引越しに60万円かかり、家賃が1万円だけ下がった、というケースだと、元が取れるまでに5年かかってしまうことになります。
そこで考えておきたいのは、その家にどれぐらい住むのか、ということ。
結婚や出産、子供の進学など、今後のライフスタイルを考えた上で、「少なくとも○年ぐらいは住むだろう」と考えておいていただきたいのです。
「5年で元が取れると思って引越したのに3年しか住まなかった」ではかえって支出が増えてしまったことになりますから、十分に注意しましょう。
「今のところどれぐらい住むかははっきりしていない」という場合は、2年以内に元が取れる引越しがおすすめです。
「1年後に就職で引越する可能性がある」といった場合はやめておいた方がいいですが、特にそういった予定が無ければ、2年以内に元が取れるかどうかを基準に探してみてくださいね。
思い切った節約も可能に
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家賃が1万でも下がれば節約はできるわけですが、
せっかくなら思い切った引越しをしてみてもいいと思います。
たとえば、「今は15万の家賃を払っているけど、家賃7万円の家に引越しする」というレベルです。
お住いの地域にもよりますが、少し郊外に行くだけで家賃の相場がぐっと下がることは珍しくありませんよね。
また、モノを減らして今より一回り小さい家に引越しする、というのも最近実践する人が増えています。
我が家の場合、はじめは「3人で生活するなら間取りは3LDK以上、家賃は10万以上かかるだろう」と考えていました。実際の物件を見てみると、12万程度が相場だということが分かりました。
しかし、わたしたちが住んでいるのは家賃7万円弱の、2LDKの物件です。2LDKでも少し部屋を持て余し気味ですし、家賃が安いおかげで生活にゆとりがあります。
共働きで妻もフルタイムで働いている場合は、家賃が12万でも15万でも支払える世帯は多いでしょう。でも、「払えるから」というだけで決めてしまうのではなく、「少しでも安いところを」と探してみると、意外と良い物件が見つかるかもしれませんよ。(執筆者:吉見 夏実)