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最近(※2016年2月)、世間を騒がせている保育園の待機児童問題。
0歳でも保育園に入れなくて、困っている方の叫びがインターネットを通じて毎日流れてきます。中には知り合いの方もいて、とても他人事とは思えず、わたしもつらい気持ちになってしまいます。
さて、わたしの子供は今10歳ですが、思えばわたしの子供が生まれた頃には、すでに待機児童は大きな問題になってました。
え? もう10年以上も言ってるの? そして解決してないの? と、純粋に驚いてしまいました。
とは言え、現状としては保育園は毎年いくつも作られていて、行政が何もしていないわけではありません。企業内託児所を作るなど、企業も努力しているところはあります。
また、地方に行けばまだまだ保育園の空きがあるところはたくさんあり、「地方移住する」という選択肢が無いわけではありません。
では、子供が保育園に入れなかったとき、当事者である親たちにできることって、何なんでしょうか?
目次
認証保育園や認可外保育所
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東京都では、認可保育園に入れるのはとにかく大変なことだと聞きます。
夫婦ともにフルタイムで働いていていわゆる「ポイント」をかなり稼いだとしても、入れない人はたくさんいます。
その場合、まず当たるべきは認証保育園や認可外保育所になるでしょう。
しかし、こちらも簡単なことではありません。家から職場へのアクセスどちらからも不便な場所であったり、もしくは安全面で不安があったりと、「ここなら安心して通わせられて、しかも送迎もしやすい」という保育園に入れるのは至難の業です。
それでも、空きが見つかる場合はあるので、まずはこちらを当たってみましょう。
実は、認可保育園の入園許可が発表される前に、認可外保育所などを「仮押さえ」している人が一定数います。
「認可保育園に落ちたときのため」と保険としてすでに入園金を支払っていたりするんですね。無事認可保育園に入れた場合でも入園金などは返還されないそうですが、それでも「万が一のために」と仮押さえしている方はいます。
認可保育園に入れた人たちのキャンセルが出るかもしれませんので、地道に問い合わせてみましょう。
4月以降に空きが出ることも
認可保育園も、4月入園がかなわなかったとしても、年度途中で入れるケースがあります。引越しなどで空きが出るケースですね。
また、「会社に復帰したけれど子供が保育園になじめず、やっぱりしばらくは専業主婦になることにした」などの事情で保育園を辞める方もいます。
4月以降にちらほらと空きが出るので、諦めずに申し込んでおくことが大切です。
ベビーシッターなども検討を
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認可保育所どころかどこの保育園にも入れない! という状況なら、次に検討するのはベビーシッター等です。
一般に、ベビーシッターを利用するのは金額的に大変です。月額制など利用時間が多い場合でも、1時間あたり1,500円~2,000円程度かかります。
もし、1時間単価1,500円で、毎日8時間利用するとしたらこうなります。
お給料が吹っ飛ぶどころか、赤字になる家庭も多そうです。
預け先によってはこれだけの大口利用になるともっと単価が下がるところもありますので、実際には20万円程度におさまる可能性もあるものの、それでも大変な出費ですね。
ただ、フルタイム共働きで、なおかつ「どうしてもキャリアを中断させたくない」という場合にはやむを得ない手段として選択肢にはなるでしょう。
また、会社によってはベビーシッターの利用で補助が出る場合もありますので、必ず確認しておいてください。
わたし自身、仕事の都合でベビーシッターが必要になった際、ファミリーサポートを頼んだことがあります。このときかかった費用は、会社と交渉することで支払ってもらうことができましたので、制度が整っていなくても、まずは交渉してみることをおすすめします。
ベビーシッターも頼めない場合は?
お給料にゆとりがなかったりしてベビーシッターも頼めない、という場合は、仕事を続けることが難しくなってしまいます。
でも、方法がまったく無いというわけでは無いと思います。
たとえば、「時短勤務に変更して、短時間のみシッターを利用する」という方法。勤務自体を減らせばベビーシッターの利用時間も減らせますから、出費も減ります。
また、在宅勤務ができないか交渉する、という方法もあります。もちろんお仕事の内容によりますが、在宅勤務が環境的に不可能ではないなら、交渉する価値はあるでしょう。
もちろん、転職するという方法もあります。
わたしも現在はほとんどが在宅で働けるフリーランスという働き方に移行しています。在宅でできる仕事以外にも、託児所のある会社に転職する、両親に頼れるなら両親の近くに引越したり転職したりする、という方法もあります。
声を上げることは大切
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保育園に入れなかったとしても、それは「ゼロか100か」という話ではなく、できることはいろいろあります。
子供のためですから、母は強し。会社との交渉も含め、できることはすべてやってみましょう。
そして、それだけではなく、ちゃんと声を上げていく、ということも大切です。
親同士で集まって団体を立ち上げている方もいますし、そういった活動が地元にあれば参加してみる、要望書の署名だけでもする、といったアクションは無駄ではないと思います。
FacebookなどのSNSで発信することもいいでしょう。残念ながら、当事者同士で集まって話しているだけでは他の人に気付いてもらうことはできません。ニュースで問題を知っているのと、SNSで知っている人が発信しているのとでは、問題の身近さを感じる度合いが違いますよね。
まずは自分の子供を安心して預けられて、自分も働けるよう行動することが必要です。でもそれだけでなく、行政や会社に対しても、声を上げていくことで環境は変わっていくのではないでしょうか。(執筆者:吉見 夏実)