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FPの母が子どもに求めることは2つ
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FPの竹下さくらさんが、我が子(高2女子・中2男子)に求めていることは、2つある。
2) 将来、自分で食べていける人になって欲しい
そのために、竹下さんが必要だなと感じている能力は、「プレゼンテーション能力」と「コミュニケ―ション能力」だそう。
「この能力を親としては鍛えたいなぁと思っていて、それが最近、ちょっと、上手くいっているかも…と思っているのが、お金の精算の話なんです」。
あなたが「お金の心地いい側面」を感じた時の話を聞かせて下さい!
交渉次第でお金をゲットできるシステム
―お金の精算で、「プレゼン能力」と「コミュニ―ケーション能力」を鍛えるとは?
我が家は、中学2年生には月額3000円、高校2年生には月額5000円のお小遣いを渡しています。
「お小遣い帳をつけなさい」とは言っていないのですが、「お小遣いで支払いをしたもののうち、申請をし、交渉次第では家計費で支払ってあげるよ」といっている項目がいくつかあります。
父親に決裁権があるので、父親と話をする良い機会にもなります。
竹下家で「承認が得られたら家計費扱い」となる項目
お友達とご飯を食べる時にケチケチするのは、どうかな? と思っているので。また、学校帰りにお腹がすいているのを我慢するのもかわいそうなので。
2) 書籍代
家族みんなが読める本だったらOK。申請をして「みんなが読める本だね」という承認を得られば良いので、交渉次第。
3) 文房具と交通費
学生生活を送る上で必要なコストなので。
たとえば、女子高生が読むファッション雑誌の申請があった時のことです。娘の申請理由としては、「友達と出かける時のファッションの研究で今回の特集記事は必要」と。
父親は、「パパに見せてくれるんだったら」という条件を出したようです。娘は「パパ、見るのぉ~」と言っていましたけれど(笑)、OKということで承認が下りました。
子どもの「外」での生活が見えてくる
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―面白い制度ですね
これの何が楽しいかというと、子ども達の外での生活が見えてくるわけです。
精算リストを見ながら、「コンビニのから揚げばかり食べているわ、お弁当にから揚げいれるのは、やめようかしら?」なんて思ったり、「中2男子、最近、珈琲飲み始めましたか(笑)」なんていうのが見えてきたり。
子ども達から申請用紙が出てくると、ワクワクするんです。
―どれくらいのスパンで精算するかは、決まっているんですか?
自分達が苦しくなったら、です(笑)。申請されなければ、お金は支払わないので。
お小遣いの範囲内でやれている時は、子ども達はやってきません。今は、お年玉をもらったばかりで潤っているのか、来ませんね。「今はみんなリッチなのね~」と思っています。
―交渉というのは、どんな時にするのですか?
映画などは、交渉の結果「半分出す」というのもあるんです。ディズニーランドに行った時には、ランド内の食事は全部出しても、入場料金はどうする? とかですかね。
交渉次第なので、プレゼン能力と、コミュニケ―ション能力が磨かれます。親に知られたくないものは出てこないですしね(笑)。交渉の余地があると子どもはやってきて、精算をキッカケに家庭内の会話が増えています。
親がストレスなくできる金銭教育
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―他に何かルールはあるのですか?
集計は暗算と決めています。だから子ども達は、計算早いですよ(笑)。
また、「自分のお金が貯まってきたら、『さくら銀行(ママの名前)』に預けて運用」ということも請け負っていました。
子ども達から預かったお金で母が運用して、1年後にお返しするというものなのですが、最近、来なくなりましたね。
お金が、なかなか増えないので、「運用してもお金はなかなか増えない。だから世の中の人も、お金を手持ちにしているのかな?」なんていう会話を親子で交わしました。
―親子の会話が広がりそうですね
面白いですよ。レシートを見ながら消費税に話が広がってみたり。
「世界の消費税が書いてあるクリアファイル」に申請書類を入れているので、それを見ながら「この中で日本の消費税は何番目くらいなんだね」みたいな話もしました。
―竹下さんご自身が楽しんでいらっしゃいますね
私は、「お遣い帳をつけなさい」とは言いません。家計簿をつけていても家計管理ができていない人も多いので、無理にお小遣い帳をつける必要はないと思っています。
それよりも、「自分の手持ちのお金はどれくらいで、どうやってやりくりするか?」を把握できていれば良いと思っているんです。
我が家の方法であれば、お財布の中も常に見ているし、「今日は足りるかな?」と自分たちで考えているようです。精算や申請の癖をつけておけば、社会人になって、出張旅費の精算なども苦ではないと思うんです。
何となくの流れで出来上がっていた我が家のお金精算システムですが、お金を捻り出す手段として子どもからやってきます。親は全くストレスがたまらず、かえって楽しいですよ。(執筆者:楢戸 ひかる)