超高齢者社会に突入していることもあり、認知症高齢者や高齢者ドライバーの危険性、有料老人ホームの実態など高齢者にまつわる話題がとびかっています。
寝たきり高齢者の介護技術、認知症高齢者のケア方法などはよく目にしますが、意外に目を向けられていない話題が介護をしているご家族への介護疲労の解消法です。
認知症介護、寝たきりの介護、半寝たきりの介護と介護にはいろいろなケースがありますが、実際に介護をしているご家族の疲労や心配はさほど変わらないものです。
ニュースでもみかけるようになった介護疲労や介護うつにまつわる事件はいつみても悲しいもので、同時に私自身の無力さにも苛まれます。
今回は介護疲労から介護うつに陥ってしまう前に、お金も不要で簡単にできる介護ストレス発散法としてウォーキングを提案していきたいと思います。
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目次
ウォーキングとは
ウォーキングは犬のお散歩のようにゆっくりと犬のペースで立ち止まったりする歩き方ではなく、息がはずむくらいにある程度早足で、持続的に歩くことを意味します。
上手なウォーキング方法
ウォーキングは有酸素運動といわれています。
大きな息をして酸素をたっぷりと取り入れることを意識しながら行うと、有酸素運動の効果が高くなります。
早足の程度には具体的な目安があります。
歩きながら話ができないようであれば速すぎで、歩きながら歌が歌えると遅すぎるといわれています。
ウォーキングは自分のペースが大切ということですね。
言い換えれば自分のペースでできます。
普段は人のために介護生活を送っている中で、自分自身にも目を向けることができる時間になります。介護しているご家族には必要な時間であると考えています。
有酸素運動とウォーキングの効果
有酸素運動は、ストレス解消のほかに血液の循環を良くし、心肺機能の向上につながる効果があります。
また、ある程度速く歩くことで骨や関節、筋肉などに適度に負荷をかけることができるので、骨関節や筋肉の強化や骨量の減少を抑え、骨粗しょう症などの予防にもつなります。
有酸素運動には、ウォーキングのほかにジョギング、水泳、水中ウォーキング、エアロビクス、テニスなどがあります。
この中でも道具も要らず、お金もかからないで思いついた時にいつでも始められるのがウォーキングです。
運動することがストレスからの逃避となり、運動することで体内の麻薬様物質が分泌され、運動後に爽快感を感じることができるといわれています。
ウォーキングは無理なくできる運動です。
「介護に行き詰まった時にはウォーキングをしよう」と決めておくだけでも、介護と向き合う時間に肩の力を緩める一手になるのではないでしょうか。
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ウォーキングの理想時間は30分以上
本格的にウォーキングを行う場合には、準備運動から30分以上が望ましいとされています。
これは運動を開始してから心臓や呼吸の働きが活発になり、体内の脂肪が燃焼され始めるまでには10分以上または20分以上続けることが必要なことから30分以上が理想といわれています。
ウォーキングは週に3回、できれば毎日
一般的に運動した効果が続くのは2日といわれています。週に3回という目安はこの理由からいわれているようです。
今回は運動を目的としたウォーキングではないのであまりかしこまって規則正しく始める必要はありません。仕事と介護、家事と介護などの生活のストレスの解消が目的なので、ご自分のペースで行うことが第一です。
初めのうちは、自分はこんなにも疲れていたのかと実感されるかもしれません。
いつかは終わる介護ですが、いつまで続くかわからない介護ですから、自分の疲れに気づくことは大切なことなのです。
寝不足や体調不良の時には30分あれば横になって休む方が回復しますが、イライラがたまっていたり気分が沈んでいる時には、靴を履いて外に出てただ歩くだけのウォーキングをしてみましょう。
新しい風景や新しい介護への発想が浮かぶ余裕ができるかもしれません。
また、こんな近くに介護施設があったのか! という発見があるかもしれません。
街の風景に目を向けるだけでも、介護に頑張っているあなたは1人ではない、ということに気づくことができますよ。(執筆者:佐々木 政子)