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私事ですが、先日、夫がかかとの骨を折ってしまいました。
レントゲンでは小さく見えたその骨折も、フタを開けてみれば全治3か月の松葉杖生活です。
右足のつま先からひざ下まで、がっちりとギプスで固定されてしまい、車の運転はおろか、電車やバスの乗り降りもままなりません。
通勤が困難なこと、また職務上の理由もあり、全6週間の自宅療養という指示が出てしまいました。
6週間の内訳は、3週間はギプス固定期間。
残りの3週間は半ギプス状態(取り外し可能)からリハビリをしながら、全体重をかけて歩けるようになるまでの期間です。
さて、ケガや病気で休職をすることになったとき、その間の収入はどうなってしまうのでしょうか。
目次
傷病による休養期間中の収入について
会社ごとの規定により内容は異なりますが、一般的な流れをご紹介します。
積立年休を利用する
夫の会社には、積立年休という制度があり、使いきれなかった有給休暇を最大40日まで積立てておく制度があります。
積立年休は、おもに本人の傷病、または家族の介護・看護のときに使うことができる年休のことです。
これは労働法で定められているわけではなく、会社が独自で定めている福利厚生制度になりますので会社ごとに異なります。
そもそも導入していない会社もありますので、休暇制度をしっかりとチェックしてみてくださいね。
ケガや病気で休職する場合、まず、利用する目的が限られている積立休暇を先に消費します。
子どもが入院したときに12日ほど使ったので、残りは28日でした。しかし、新入社員の場合は積立年休がありません。積立年休がない場合は、どうなってしまうのでしょうか。
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有給休暇を利用する
積立年休の制度がない場合は、有給休暇を消費することになります。
一般的に、有給休暇は入社後6か月が経過し、かつ、全労働期間の8割以上出勤している者に対して10日ほど付与されます。(一部例外企業もあります。)
入社年数が長ければ、使わなかった有給休暇が繰り越され、少しずつ増えていくこともあります。
わが家は育児中の共働き家庭なので、とにかく有給休暇を利用する機会が多くあります。
骨折をしたときには、すでに3日しか残っていない状態でした。
有給休暇と積立年休をあわせて、最大31日。土日(社_休日)はカウントされないので、営業日で合計31営業日ほど休むことができます。
どちらの休暇も給料の支給額は100%ありますので、収入に大きな変化はありません。ひと安心ですね。
しかし、入社して1年未満は、有給休暇の日数も少ないですよね。有給休暇を使い切ってしまったら、どうなるのでしょうか?
会社員の味方! 傷病手当金を受給しよう
ケガや病気で利用できる制度に、傷病手当金(しょうびょうてあてきん)という制度があります。
これは、現在加入している健康保険組合から支給されます。
これは社会保険の制度なので、国民健康保険や任意継続の被保険者の場合は支給されないので注意が必要です。
傷病手当金を支給してもらうには、条件があります。
それは、「会社が欠勤扱いになっており、無給の状態であること」です。
そのため、有給休暇や積立年休を使っている最中は、傷病手当金の支給対象にはならないということですね。
ただし、給与が支払われることがある場合、支給される傷病手当金よりも給与が少ない場合は、その差額が傷病手当金として支払われると定められています。
傷病手当金は欠勤後すぐに支給されるのではなく、3日間の待機期間があります。その3日間をふくみ、4日以上欠勤がある場合に、「支払開始月を含む直近12か月の標準報酬月額を平均した額を30で割って出た標準報酬日額の3分の2」が支給されます。
お給料を100%保障するものではありませんが、最長1年6か月間も支給されるのは心強いもの。実際に利用することになった場合は、人事や健保組合に問い合わせてみましょう。
とはいえ、やはり傷病手当金だといつもより収入が減ってしまいます。さらに、傷病手当金を受給中であっても、社会保険料などの支払いは発生します。この状態は、家計の負担もずっしりとくることでしょう。
そこで、いざというときに困らないよう、でき得る対策を取っておきましょう。
安心して休める体制を整えるために
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対策といっても、すぐにできることは2つ。
貯金をしっかりしておくこと
給料を全額使い果たすような生活であれば、収入が下がるとあっという間に赤字家計に転落です。
また、たとえ一般的な医療保険に加入していても、入院がなければ支給はされません。今回の夫の骨折では、通院のみで入院はありませんでした。
ケガでの通院保障がついている医療保険もありますが、生活するにはもの足りないものです。
実際に休養をしてわかりましたが、医療費にお金がかかったり、タクシー代も必要なことがあり、いつもより支出が多くなりました。
休養期間にもよりますが、傷病手当金の支給額を目安に、生活費から逆算して「いくら足りないのか?」をしっかり把握しておくといいですね。
わが家は4人家族なのですが、毎月の生活費25万円×1年分を貯めて備えています。
日頃から、給料の使いすぎには注意しておき、最低でも、絶対に必要な家賃や光熱費などの支払いが滞らない程度は確保しておきたいもの。
会社の制度だけに頼るのではなく、安心して療養できる体制をじぶん自身でもしっかりと整えておきましょう。(執筆者:小松 ゆみ)