公的年金(国民年金や厚生年金保険)を掛けている方など(被保険者)が死亡したときに、残された遺族の方に対して支給される「遺族年金」というものがあります。
その中でも、今回は「遺族基礎年金(国民年金)」についてピックアップしたいと思います。
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目次
遺族基礎年金(国民年金)と遺族厚生年金(厚生年金)との違い
自営業などの方は「国民年金」の加入者で、その方が亡くなった場合は「遺族基礎年金」が支給されます。
また、サラリーマンなどの方は「厚生年金保険」の加入者ですが、厳密に言えば、2階建て年金なので「厚生年金保険」と「国民年金」の両方に加入していることとなります。
支払われている保険料も「厚生年金保険」の保険料の中に「国民年金」の保険料も含まれており両方の年金を支払っていることとなります。
「厚生年金保険」の加入者の方が亡くなった場合は「遺族厚生年金」が支給され、条件によっては「遺族基礎年金」も支給される場合があります。
「遺族基礎年金」は、遺族年金のベースとなる年金と言えるでしょう。
「遺族基礎年金」の支給される遺族の範囲
●老齢基礎年金の資格期間(原則25年以上、国民年金の保険料を掛けた方)を満たした方が死亡した場合に、その方によって生計を維持されていた
(イ)子(※1)のある配偶者(夫又は妻) あるいは
(ロ)子(※1)
です。
夫婦間で「子」がいない場合に、配偶者(夫又は妻)が亡くなったとしても「遺族基礎年金」は支給されません。
※1 「子」とは次の者に限ります。
・ 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
・20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子
保険料の納付要件
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国民年金に加入中の方が亡くなった場合、
加入期間の3分の2以上の保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)があること(ただし平成38年4月1日前の場合は、亡くなった日の属する月の前々月までの1年間の保険料について未納がないこと)という条件をクリアしている必要があります。
保険料の未納が多いと、遺族基礎年金は受給できないことになります。
遺族基礎年金額
「遺族基礎年金」は、「子(※1)」の数で年金額が決まります。
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※4人目以降の場合は、「子」の加算額に各7万4,800円ずつ加算されます。
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※4人目以降の場合は、「子」の加算額に各7万4,800円ずつ加算されます。
※「子」に対する「遺族基礎年金」は、生計同一の父又は母がいるときは、支給停止となります。
このように、「遺族基礎年金」のもらえる方の範囲は決して広くありませんが、もし「該当するかも」とお感じなったら、一度、お近くの社会保険労務士に相談をしてみてください。(執筆者:社会保険労務士 高橋 豊)