4月より晴れて新社会人となった皆さん、おめでとうございます!
新たなスタートを迎えて、夢と希望に満ち溢れている人もいれば、これから社会人としてきちんとやっていけるのか不安な気持ちを抱えている人もいるのではないでしょうか。
近年、学生の就職事情が景気回復に伴う求人増で売り手市場であったことは幸いなことですが、もはや大企業といえども終身雇用は過去にものであり、生涯にわたって安定した収入が約束される職場はありません。
とはいえ、今は入社した会社で社会人としてのマナーはもちろんのこと、配属先での仕事を覚えることに精いっぱいで大変なことでしょう。
目次
程よく肩の力を抜いて社会人生活をスタート
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これから30年以上続くであろうビジネス人生を考えれば、入社というのはほんの小さなスタートに過ぎません。
入社早々過度に張り切る必要はないので、程よく肩の力を抜いて社会人生活をスタートさせましょう。
これから長く続くビジネス人生というマラソンを完走できるよう必要な体力とスキルをじっくり養っていけばいいのです。
本コラムでは、新社会人となった皆さんに向けて、マネーや資産運用、ライフプラン等についてアドバイスさせて頂きたいと思います。
給与振込口座は一生もの? 使い勝手を考えて銀行を選ぼう!
社会人になると、何かとお金のやりとりが増えます。
都会でひとり暮らしをすることになれば、学生時代にはあまり利用しなかった「銀行振込」を家賃はじめ各種支払い等のために利用する機会が増えてくるでしょう。
給与振込口座として総合口座を開設すれば、時間外における「出金」手数料が無料になるという銀行は多いですが、他行あての「振込」手数料が無条件で無料になる銀行はほとんどありません。
よって、預金金利が実質的にゼロという状況下では、振込手数料(ネットバンキング利用時)が無料になる銀行を選ぶことが重要です。
そうなると、手数料無料になる諸条件が比較的ゆるい大手銀行もしくは、ネット専業銀行が候補になるのですが、筆者がお勧めしたいのは諸条件を比較的満たしやすい『みずほ銀行』と『新生銀行』です。
みずほ銀行
月間の平均預金残高50万円以上等という条件を満たせば、他行あての振込手数料が月1回無料になる。
新生銀行
口座開設をすれば預金残高等の条件なし(スタンダードステージ)で、他行あての振込手数料が月1回無料になる。
また、普通預金残高が100万円以上であれば、ゴールドステージとなり他行あての振込手数料が月5回無料となる。
両行とも、外貨預金や投資信託等の金融商品を購入することで、各種手数料無料の月間回数が増える特典を用意しえいるが、リスク商品を購入してまで振込手数料を無料にする必要はない。
ネット銀行には思わぬデメリットも
尚、ソニー銀行や住信SBIネット銀行、楽天銀行といったネット専業銀行も条件付きで振込手数料が無料になる上、預金金利も大手銀行よりは高いので有利なのですが、ネット銀行には思わぬデメリットがあります。
それは、電気・ガス・水道等の公共料金の口座振替や、クレジットカードの引き落とし口座として認められていない場合が少なくないということです。
また、新社会人の皆さんにはおそらく縁がないと思いますが、所得税の確定申告を行って税金の還付を受ける際、ネット銀行は基本的に還付金の受取口座として指定することができません。
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メインバンクとサブバンクを使い分ける
新社会人となって、給与振込用として最初に作った銀行口座は、一生付き合うことになるメインバンクになるかもしれません。
勤務先から給与振込口座の銀行を指定されるケースもいまだにあるでしょうし、地元にある地銀や信用金庫がサービスを含めて便利なこともあるでしょう。
いずれにしても、メインバンク口座は、ATMの使い勝手がよく様々な支払いに対応できること、そして一番重要なポイントとして各種手数料が安いところ(できれば無料)を選ぶことお勧めします。
ネット銀行はサブバンクとして口座開設し、必要に応じて活用すればよいでしょう。
勤務先で財形貯蓄制度があれば必ず利用する
財形貯蓄とは給与天引きの形で毎月一定額の積立貯蓄ができる制度です。
銀行預金の金利同様、財形貯蓄の利率もほぼゼロですが、会社による利子補給がある場合があるので勤務先の給与担当部署に問い合わせてみましょう。
財形貯蓄には、
・ 住宅財形
・ 年金財形
の3種類があるが、新社会人の皆さんが財形貯蓄を始めるのなら、迷わず住宅財形を始めるのがいいでしょう。
当面は住宅購入の予定がなくても将来住宅購入費の一部として払い出す場合は、それまで積み立てた貯蓄残高(残高550万円まで)に対する利子等が非課税になるからです。
もし、住宅取得以外の目的で払い出した場合には利子に課税がされるが、将来のライフプランが定まっていない以上、とりあえずは非課税メリットのある住宅財形を選ぶことが賢明です。
社会人になるとなにかと出費が増えますので、「お金が余ったら貯金しよう」という考えは甘いです。
毎月一定額を給料から天引きされるので、この「勝手に貯まる」財形貯蓄の仕組みは手軽で効果的です。
尚、財形貯蓄用に金融機関に口座を開く必要がありますが、先に述べた給与振込口座と同じ銀行を指定するのが資金管理の面でも便利でしょう。
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投資に関心がなくても、ネット証券でNISA口座を開く
という声が聞こえてきそうですが、まずはネット証券に口座を開くことから始めてみましょう。
・ 口座を開くとネット証券の取引ウェブサイトにアクセスできる
・ 金融マーケットの情報がまとまった形で閲覧することができる
・ 会社四季報や日経会社情報といった書籍の情報を読むことができる
・ アナリストが作成したレポートやコラムなどが無料で読める
というメリットもあります。
そういった情報を眺めることを通じて、経済や投資に対する関心が高まるでしょう。近い将来、本格的に投資を始めるきっかけになるかもしれません。
証券口座を開くと同時に、NISA(少額投資非課税制度)口座を合わせて申し込みましょう。
毎月1万円程度といった少額でもいいので投資信託(インデックスファンドなど)の積立投資を始める場合は、NISA口座を必ず利用しましょう。
NISA口座での投資は、投資開始から5年間は運用益は非課税になるので、そのメリットをしっかり享受しましょう。
次回コラム(第2回)では、新社会人の皆さんに生命保険加入や自己啓発について筆者なりのアドバイスをさせて頂きたいと思います。(執筆者:完山 芳男)