もし、自分や家族が何かの病気になったら、まずどんな病院にかかるでしょうか。日ごろから風邪をひいたり、検診などに行くためのかかりつけ医があれば、まずそこに行くでしょう。
しかしそういうかかりつけ医がないと、近所でどの病院が良いのか分からないため、どんな病気でも診てもらうことができるという理由で大きな病院に行ってしまうのではないでしょうか。
日本という国は病院選びが自由できて、必ずしも近所の開業医に行かないといけないなどという決まりはないのです。
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大病院は紹介状と初診料に注意
開業医は経験を積んだ医師が、自分で開業をしているところで地域の住民が体調を崩した時や怪我をしたときなどに診てもらえます。
複数回通うことで顔なじみになったり、個人の病歴や体質などを把握してもらうことができ、持病など慢性的な病気や健康管理をしてもらうのに適したところです。
また費用の面では初めての時に初診料を支払ったあとは健康保険に加入をしていれば診療代、治療代の3割などの負担で済みます。
しかし医療機器や設備は基本的なものしかないことや、医師によって得意な分野が違うということがあります。
総合や大学病院など大きなところは最新の医療機器を導入したり、先端医療も充実しているため重病の患者や、開業医ではわからなかった病気の場合に紹介状を書いてもらって診察を受けに来るのに適したところです。
一つの病院の中で診療科目がたくさんあり、症状によってどの科に行けばよいのかを教えてもらえます。
現在では紹介状がないと診てもらえないというものではなく開業医よりも高い初診料を支払えば紹介状がなくても見てもらうことができます。
ただその初診料に関しては強制ではないので、2,000円程度の初診料のところや開業医と同じくらいの初診料というところもあります。
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なぜ、大病院の初診料は高額なのか?
病院のロビーではなぜ大きな病院では高い初診料を支払わないといけないのでしょうか。
それは風邪など軽い症状の人がたくさん来ると、混み合って本来診察すべき重度の患者さんが診てもらいにくくなったり、医師の労働条件や労働環境が悪くなるため満足な診療ができなくなる恐れがあるからです。
2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、病気も多くなって診察を希望する人がとても多くなると見込まれています。またそのころには働き盛りや若い世代の医師が今よりも少なくなることでしょう。
そんなときに多くの高齢者が慢性の症状や軽い症状でも「今くらいの初診料なら大きなところで診てもらおう」ということになれば大きな病院はいっぱいになって本当に治療を必要とする人が治療を受けられなくなるということが起きてくるのです。
そのようなことを見込んで、2016年からは国が定めた特定機能病院やベッド数が500床以上の大きなところでは開業医の紹介がなく行った場合に、医療費とは別に5,000円から1万円もの初診料を請求することを義務付けることになりました。
だから老若男女問わず、まずは近所のかかりつけの開業医を見つけておくことが大切になってきます。(執筆者:小野 雄吾)