目次
大切な人間関係
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老人ホームを決める時に外見や立地条件が気に入っても、毎日の人間関係に問題があれば、生活の場を変えたいと考えてしまうかもしれません。
良さそうな老人ホームが見つかり、見学だけでも見学しないよりはホームの様子が覗けるので、マイナスになることはありません。
しかし、実際に入居された方々からお話を聞くと
と後悔される声がきこえてくることがあります。
あまり知られていませんが、一歩進んだ老人ホーム選び方「その2」として今回は、老人ホーム選びに有効になる「体験入居」についてお伝えしていきたいと思います。
参考記事:【一歩進んだ老人ホーム選び(1)「重要事項説明書」の見るべきポイント】
1. 体験入居とは?
実際に老人ホームの居室に宿泊することができ、食事やレクリエーションの参加など、老人ホームでの1日の暮らしを体験することができます。
体験の期間は老人ホームによって異なりますが、1泊2日から2週間程度の利用ができます。長い所では1か月から3か月程度までの体験入居を受け付けている老人ホームもあります。
体験入居は、実際に居室を使用する為に、居室使用料や食事などの実費がかかります。
2. 体験入居の料金
体験入居の料金や期間は、老人ホームのホームページやパンフレットなどに記載されています。
料金は一律の決まりはなく、居室使用料は無料で食事などの実費だけを設定されている老人ホームや、1泊2日2食付きで金額を設定しているなど様々です。
1泊2,000円~1万円に設定している老人ホームが多いようです。
3. 体験入居の前に一度見学に行きましょう
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いきなり体験入居というと、ご本人にとっても不安の要素が大きいので、まずは希望の老人ホームが見つかったら見学に足を運びましょう。
ご家族などがお忙しいようであれば見学も兼ねて、体験入居を希望しても問題はありませんが、費用もかかるので見学をした上で、もう少し見てみたいと感じた老人ホームでの体験入居を試された方が有効的といえます。
見学している時に体験入居の相談や希望を伝えることは、スムーズに対応してもらえるコツといえます。
老人ホームによっては体験入居を受け入れていない施設もあります。
または体験入居を受け付けていても満床の場合には、すぐに体験入居ができないという事もあります。
事前に知りたい場合には、体験入居をどのように行っているのか希望の老人ホームに問い合わせてみましょう。
4. 体験入居を実りあるものに どこをチェックすべき?
a.入居者について…
様々なライフスタイルを送られてきた方々が一緒に暮らしています。
入居者同士が1日の流れでどのように生活されているのかを知ることができます。
・ 入居者とスタッフとの交流はあるか。
・ 入居者の表情は明るいか。
・ 談話室やリビングなどの共有スペースが利用されているか。
b.食事について…
入居者にとっては食事の時間は何よりも楽しみにされているものです。
楽しく食事がとれるようスタッフが配慮した対応をしているかを確認できます。また、食事に介助が必要な入居者への配慮なども一目できます。
・ 食事中の雰囲気はどうか。
・ スタッフの対応は食事を楽しむ入居者に配慮されているか。
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c.居室について…
実際に居室で過ごしてみると、見学の際に少し見ただけではわからなかったことが見えてくるものです。
・ベッドに横になった時などにエアコンの風が直接あたらないような向きに配慮されているか。
・早朝、夜間に車の騒音などが気にらないか。
d.夜間の様子について…
体験入居でしか分からないのがこの夜間帯の様子です。
ぐっすり眠れて寝つきも良いという方は問題がなさそうですが、高齢者の中には寝つきが悪く眠りも浅いという方も多いものです。
最近の老人ホームでは要介護度によってフロアを分けているホームがほとんどですが、中には夜になると廊下を徘徊したり居室で騒ぐという方もいらっしゃることがあります。
・夜間帯の周囲の騒音について。
・スタッフによる見守りの回数。
e.その他…
体験入居では、入浴することもできます。
入浴の時間も楽しみの一つです。実際に入浴することで不都合な点がないか確認することができます。
季節にもよりますが、朝起きてから窓を開けて換気するといった生活の中のあたりまえの環境があるかという点も確認しておきましょう。
エアコンなどの温度調節なども入居者目線で設定してくれているのかなど、体感できることもたくさん見えてくると思います。
5. できれば3泊から1週間の体験入居がおすすめ
理想を言えば長いほど良いのですが、費用もかさむので無理もできません。
なぜ1泊以上かという理由はいくつかありますが、ここでは2つあげておきます。
(1) スタッフの顔ぶれや態度が見える
スタッフはシフト制勤務の為体験入居した日に居合わせたスタッフだけの印象になってしまいます。
マニュアル通りに皆が同じクオリティで接してくれたら問題はないのですが、残念ながら介護スタッフは様々です。
1週間程度であればスタッフの顔ぶれも一通り知ることができますし、慣れてくるとスタッフのいつもどおりの態度がかいま見れるようになります。
入居者から声をかけられたら立ち止まり話しを聞くスタッフの姿勢があれば、信頼できる老人ホームと考えて良いと思います。
(2)入居者から本音を聞ける
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はじめはお客様扱いだった入居者の方々とも気さくに話しができるようになる期間でもあります。
老人ホームでのレクリエーションにも積極的に参加したり、入居者の方々がどのような時間に集まったりおしゃべりしたりしているのかがつかめてきます。
入居者との交流がもてれば、実際に感じている良い点や不都合な点を教えてもらえるかもしれません。
入居者の方々の表情が明るく、生き生きと過ごされていたら、安心して暮らせる老人ホームと考えて良いと思います。
6. 体験入居の注意点
本契約を結んでいない私たちにとっての老人ホームはまだ一つの施設でしかありませんが、入居者にとってはかけがえのない「家」です。
入居者の皆さんの暮らしを乱すことなく1日を一緒に過ごさせていただきましょう。
ご家族の複数名での見学や写真を撮るような場合には、スタッフに許可を得るなどして気配りがあると、入居者にとっても印象が良くなるものです。もしかしたら、近い未来にはご近所さんになるかもしれないのですから。
少しの手間と費用で負担を回避
老人ホームの「体験入居」いかがだったでしょうか。
老人ホームの入居金はまだまだ高額のところが多くあります。
入居金についてはクーリングオフの対象になるので、万が一本契約後に具合が見つかっても早い段階で決断すれば金銭的な損害は少なくで済みますが、高齢のご本人にとっての住みかえは、私たちが考える以上に心身の負担になっているものです。
少しの手間と少しの費用で負担を回避できるのであれば、是非「体験入居」を老人ホーム選びのツールとして追加していただきたいと考えています。(執筆者:佐々木 政子)