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これからの日本の未来には、高齢者の3人に1人が認知症予備軍という現実が待ち構えているといわれています。
働き盛りである私たちの親も、もちろん例外ではありません。認知症は誰もがなる病いです。認知症介護の現実は、記事で読む以上にはるかに大変です。
ニュースで見かけるような認知症高齢者の徘徊による行方不明、踏切や道路に飛び出して事故に遭ってしまうケースもあれば、逆にいつもニコニコして一見認知症とは見えない穏やかな方もいらっしゃいます。
このような症状は認知症になった原因からおおよその予測はできるものの、どのような症状が出るかは認知症になってからではないとわからないものです。
足腰は丈夫なのだけど一度出かけたら迷子になって帰ってこれなくなったり、一日中食事をしているなど、介護者が目が離せなくなってくることがあります。
目が離せなくなってくると、必然的に自分が仕事を辞めるしかないという結論に至りがちですが、そんな時は是非グループホームを思い出していただきたいのです。
今回は元気な認知症高齢者を受け入れてくれるグループホームについてスポットをあてていきたいと思います。
目次
有料老人ホームは難しい?
認知症介護では、介護者の静養の為に短期入所(ショートステイ)サービスを利用しようと思っても、他の利用者との兼ね合いで思うような日程が取れないなど、介護施設からは嫌な対応をされたという経験がある方も少なくないと思います。
有料老人ホームでは、認知症の専用フロアを設けている老人ホームも増えてきていますが、ある程度は共同生活に対応できる方と条件にあげているホームも少なくありません。
実際には応相談というのが現実といえます。
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認知症専用グループホームは比較安価
比較的安価なグループホームに入居できるのは認知症高齢者の特権といえます。グループホームの料金は、有料老人ホームに比べると入居しやすい料金設定になっています。
有料老人ホームでは高額の入居一時金は、ほとんどのグループホームでは不要か、設定されていても30万円前後となっています。保証金として敷金を設定しているグループホームもあります。
月額料金は、要介護度によって変わりますが介護保険分が2万円~2.5万円程度で、その他に家賃、食費、町内会費などの共益費、オムツ代などの日用品費などがかかります。
平均的に15万円前後のところが多いようです。介護離職を決める前に、収入と照らし合わせて検討することをおすすめします。
グループホームの入居条件は認知症の他に気をつける点が3つ
2. 元気で身の回りのことがある程度できる方。
3. 本人の住民票がある地域のグループホーム。
入居していても病気で長期入院したり、認知症が進行して寝たきりなどになると退所しなくてはならない条件があります。その後は、特別養護老人ホームや老人保健施設などに移る方が多い様です。
地域の方が集まるグループホームでは、地元の話題で盛り上がったり馴染みの地域での暮らしが認知症へ良い影響を与えられると考えられています。
グループホームはどんなところ?
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認知症高齢者が10名程度集まり、一緒に暮らす老人ホームです。それぞれのできること、または慣れ親しんできた家事や趣味活動を生活に取り入れることで、認知症の進行を緩やかにさせたり、改善させていくことを目的にしています。
居室は全室個室で昼間は、リビングなどでなるべく入居者が一緒に活動します。できないからしないのではなく、職員がフォローしながら、できることを分担して生活を送っています。
夜はゆっくりとご自分のお部屋で過ごすことができます。
認知症専用だから生活が不安
あまり知られていませんが、グループホームには第三者評価が義務付けられています。
グループホームでは、厚生労働省から開設してから概ね6か月以降に自己評価を行い、1年程度で第三者評価を受けることを義務付けています。また、その後も1年ごとに第三者評価を受けることとしています。
認知症高齢者が安心して利用できるホームか、第三者の目が届くことはご家族も安心できるシステムといえます。
第三者評価の日だけ良く装おっても、見抜かれるものですから、グループホームの職員は認知症を患い毎日が不安でいっぱいの入居者の方々と毎日きちんと向き合っているものです。
しかしながら、普段の様子を感じ取ってあげられるのはご家族かもしれません。気になることや不信な点があれば、職員や自治体にたずねてみることも大切です。
施設入所=介護放棄ではありません。入所した後でも親にしてあげられることは沢山あります。
自分がお休みの日には一緒に散歩などに誘えますし、親が好きな食べ物を差し入れて一緒に食べるだけでも親御さんは嬉しいものです。
仕事を辞めて貯蓄を切り崩していくよりも、月額の差で少しでも自分の生活も送れるようであれば介護離職はおすすめできません。
介護はいつかは終わりがくるものです。介護離職をしてしまえば、かえって介護にしばられてしまうという現実が待っています。
いつか自分の人生に戻った時にすぐに働けるという保証も、残念ながらないのですから。今あるお仕事をどうしたら続けていけるのか、これからも一緒に考えていきたいと思っています。(執筆者:佐々木 政子)