先日、私の先のコラム「失業保険の「もらい損ね」 退職後「求職の申込」のタイミングに注意」を読んだ知人がこんな事を聞いてきました。
確かに自己都合の場合、給付制限期間がありますが、会社都合の場合にはそれがありません。つまり、通常より早く受給出来るわけです。
しかし、これはいわゆる「不正受給」に該当します。
同じように、事業主に賃金を多めに記入してもらったり、アルバイト収入があったにもかかわらず申告しなかったり、失業認定日に他人を出頭させて失業認定を受けさせた場合も不正受給に該当します。
目次
このような不正が見つかるとどうなるか
それ以後基本手当は支給されませんし不正に受け取った基本手当は返還しなければなりません。雇用保険法を知らなくても、たとえ悪意ではなく過失であっても、不正行為の処分は免れません。
そしてその不正受給が下記のような悪質な場合には、不正に受け取った額を返還するのはもちろんですが、その額の2倍の額を納付しなければなりません。
つまり「3倍返し」になるわけです。
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悪質となる不正受給の例
(1) 離職票を偽造、もしくは離職票に虚偽の記載をする。
(2) 就職や就労(パートタイマー、アルバイト、派遣就業、試用期間、研修期間、日雇などを含む。) したにもかかわらず、「失業認定申告書」にその事実を記さず、偽りの申告をする。
(3) 再就職手当の支給に関し、虚偽の就職の届出をする。
不正受給が見つかるケース
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(1) 就職先で加入する雇用保険から
(2) 就職先の給料から支払われる税金から
(3) 自分で話してしまう
(4) ハローワークの職員に勤務実態を見られてしまう
(5) 密告
この中で最も多いのが実は…「密告」だそうです。
昔の同僚に不正受給をしている自慢話は要注意ですが、そもそも不正な行為は違法です。
勿論、先の知人にも違法性を指摘し、併せて不正受給を行った事業主も不正受給者と連帯して責めを負う事を説明しておきました。くれぐれも不正受給をする事は考えないようにしましょう。(執筆者:松山 靖明)