寝たきりの親や配偶者、ご家族を介護する生活は大変だと理解しているつもりでも、現実では、想像を超える大変さが待っているものです。
24時間、365日、黙々と介護をしている人は実に多く、介護保険が普及し始めた今日でも、デイサービスやショートステイなどの介護サービスを上手く利用することができずに、目の前の介護に四苦八苦されているご家族がいらっしゃいます。
今回は、お一人で介護されている方、これから一人で介護するであろう方へ、介護費用の負担と一緒に自分自身が潰されないためのコツをひとつお伝えします。
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目次
介護を長続きさせるためのコツはたったひとつ
介護が始まると、介護保険を円滑に利用できるように、ケアマネージャーが必ずつきます。ケアマネージャーは、介護や医療の現場での経験をもった介護保険のプロフェッショナルですから、ざまざまな介護相談にものってくれます。
しかし、ここでいう介護仲間はケアマネージャーではありません。家族として実際に介護している主介護者同士の仲間です。
なぜ同士の仲間か
ケアマネージャーでもご家族を介護されている方も中にはいますが、ここでの仲間は同じような苦労に毎日悩みと疲労を抱えている仲間です。
仕事と介護を両立されている方も、介護に専念している方も、介護の専門知識のないがゆえに毎日手探りで、なんとか介護をやりくりしています。
感じている不安やストレスは専門知識が豊富な中で介護をアドバイスできるケアマネージャーとは温度差があるからです。ケアマネージャーには感じ取れない孤独感などを同じように抱えているご家族がいます。
脳梗塞などの発症の場合、寝たきりの介護が突然に始まるケースが多いのですが、主介護者が男性であればよけいに「仲間がほしい」と感じている方が多いといえます。
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仲間探しはケアマネージャーに相談
なるべく早い段階で仲間を作ることをおすすめします。介護が必要な1日は大変です。
1週間程度は気持ちが張っていますから無理もきくのですが、少し落ち着いてきて一息つく余裕がでてくると、他のひとはどうしているのか? 相談相手がほしいな、この先が不安だといろいろな思いが巡るようになります。
仲間探しといってもご自身では見つけるお時間もないでしょう。そんな時にはケアマネージャーを頼ります。
例えば、デイサービスやショートステイがお近くにいくつかある場合には、家族会などがある事業者を選んだり、行政が企画している家族向けの介護者教室などに参加させてもらうことで介護を担っている方と知り合うことができます。
行政が企画している家族向けの介護者教室は主に特別養護老人ホームやデイサービス事業所、ホームヘルパー事業所などが担当して実施していることが多いので、足を運ぶことでその事業所の介護への取り組みなども把握できますから、仲間づくり以外にもメリットはあります。
市報や区報などをチェックする習慣もつけておくと地域の介護資源を利用することができるので、介護費用削減につながりますよ。
介護ノイローゼにならない
介護ノイローゼになれば介護費用削減どころか自身の医療費まで必要になりかねません。
仲間ができると、行き詰っていた介護にも風通しが良くなりはじめます。介護の内容がお互い違いがあっても介護という任務に拘束されている時間や生活は同じです。
相手が頑張っていれば頑張れるものですし、少し一息つこうといわれれば、後ろめたい気持ちもなく一息つけるようになります。ご家族の介護にはこの「いいかげん(良い加減)」が必要なのです。
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介護サービス事業所も相談は無料
あまり介護サービスを利用されず、お一人で頑張られているご家族もまだまだたくさんいらっしゃいます。介護の相談窓口のある役所などが遠いなどの場合には、お近くの介護サービス事業所でも相談を受け付けているものです。
ご自宅で大変な苦労をしている介護のことでも、介護の専門家の知恵を借りたら簡単にクリアになったというお悩みもたくさんあります。
各介護施設、介護事業所が地域密着型の介護サービスを目指していますから、遠慮は控えて、ぜひ周りの方を巻きこんで一人じゃない介護をしていきましょう。(執筆者:佐々木 政子)