両親や配偶者の介護が必要になった時、家族だけで介護をすることはとても大変なことです。介護サービスを利用し、少しでも介護負担を減らしたいと考えたとき、気になるのはお金の問題。
今回は介護にかかるお金を少しでも安くする6つのポイントをご紹介したいと思います。
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目次
1. 家族と介護サービスの役割分担を考えよう
どの部分で介護サービスが必要なのかを考えましょう。介護が必要になった時、家族が全てを行えば介護費用はほとんどかかりません。
しかし、知識も経験もない中で介護が行える人はほとんどいません。なにより生活が一変することで、お金よりも気持ちの負担が大きくなっていきます。
それでは長く続けることが困難になります。もし時間に余裕があったとしても、まずは介護サービスを利用し介護スタッフに介護の方法や困っていることなどを相談し、少しずつできることがあれば行っていくようにしてみてください。
いざという時に相談できる相手がいるだけで安心できると思います。気持ちに余裕ができれば、家族で対応できることも増え、結果的に費用を抑えることになりますよ。
2. 不必要なサービスを利用していませんか?
介護保険サービスを利用する時は、本人・家族の意見を聞き、ケアマネジャーが計画を作成しますが、状態の変化により必要な介護は変わっていきます。
状態が悪くなれば、サービスの追加が必要ですが、状態に改善が見られれば、今まで利用していたサービスが不必要になっているケースもあります。
デイサービスや訪問介護の利用回数、レンタルしている福祉用具が、本当に本人にとって必要なものなのかどうか、定期的に確認することが大切です。
特に介護サービス利用の最初に立てた計画は、利用する前に作成するものなので、利用してはじめてわかることも多々あります。
利用後必要ないと思うものがあれば、ケアマネジャーと相談し、計画の見直しを行いましょう。
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3. 介護保険外のサービスを利用しよう
市町村が高齢者を対象に独自に行っている、無料もしくは低額で利用できるサービスがたくさんあります。介護保険サービスと合わせて利用することで、費用も抑えられ、介護の質も上がります。
おむつ給付サービスや配食サービス、移送サービスなどその内容は様々で、必要としているサービスの提供がないか市町村に確認してみてください。又地域の人が行うボランティア活動の利用です。
助け合いの精神で活動する団体が増えています。地域によりボランティアの活動内容は様々ですので、どのような団体があるのか市町村もしくは社会福祉協議会に確認するといいでしょう。
介護保険では介護スタッフができる事・できない事が決められており、家族が行ってもらいたい内容でも、対応してもらえないことがあります。
その点、介護保険外のサービスでは一定の決まりはないため、介護保険サービスで対応できない部分を提供している団体が、地域にないか探してみてください。
4. 民間の介護保険への加入
公的な介護保険では行えないサービスがあり、又介護保険外のサービスでも提供がない時には、民間の有料サービスなどに依頼しなければならない場面が出てくる事もあります。
こうしたニーズに対して、民間の生命保険会社から介護保険が販売されています。
将来要介護状態になった時に、保険金が支払われるもので、保障内容は様々あり、又保障が受けられる条件も多種多様です。
現在の年齢、家族や自分の将来プランを予測し、どのような介護を行いたいか、いくらぐらいかかるのかをよく考え、自分に合った保険を探すことをお勧めしています。
5. 高額介護サービス費制度の利用
高額介護サービス費とは、介護保険サービスを利用して支払った、負担する1割(所得によっては2割)の金額がある一定の金額を超えた時に、その差額が支給される制度のことです。
所得等の条件により、負担する金額の上限は違いますが、まずは適応しているかどうか市町村へ確認してみましょう。
6. 情報交換の場に参加
介護や費用の面で、悩んでいる人はたくさんいます。介護をはじめると引きこもりがちになりますが、同じように悩んでいる人たちと話をすることで、気持ちにゆとりができます。
又介護保険の内容は複雑で、一人で全てを調べ理解することはあまりに大変です。
仲間を作り、情報を共有することで、有益な情報を手にできるかもしれません。
地域包括支援センターや介護事業所、ボランティアが主催している、介護者や家族の会は各地にあり、セミナーや勉強会を開催しているところもありますので、ぜひ参加してみてください。
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まとめ
お金をかけることが良い介護、というわけではありません。国や市町村はたくさんのサービスや助成を行っています。ボランティア団体も多く存在し、介護保険以外にも利用できるサービスはたくさんあります。
介護保険サービスと合わせこれらを利用し、「介護負担」・「お金の負担」を減らし、家族が余裕をもって行うことが本人はもちろん、家族にとっても良い介護になるものです。(執筆者:佐々木 政子)