もしかしたら、気になっていた人もいらっしゃるのではないでしょうか。那須塩原市に建つアパートのその後について…。
いくらお買い得と言え、一度にアパートを2棟も買うことになるとは、つい数日前までは予想もしていませんでした。こうなった以上、このアパートから得られる収益をいかに最大化するか……それが次の課題になります。
現状の入居はわずかに1部屋。つまり、空室率90%の物件です。
当面はその1部屋の入居者さんからいただく5万円の家賃のみが、2棟のアパートからの収入ということです。一刻も早く新しいお客さんに入居してもらって、収入を得られるようにしなければなりません。
まずやらなければならないこと
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壁と床に穴があいている部屋は置いておくとして、この時点で取り得る手段は2つだと思いました。リフォームを行わず、3万円の家賃で現状のまま募集を開始するのが1つの選択肢。
そしてリフォームして、リフォーム終了後3.5万円の家賃で募集を開始するのが、もう一つの選択肢。
外壁や屋根の塗装についても考える必要がありますが、限りあるリソース(資金)をどこに充てれば、現時点で最大の効果が得られるかを考えると、それらは後回しという判断になりました。
こうした、経営者としての手腕が問われるのも、不動産賃貸業の醍醐味だと私は考えています。
私がとったのは後者。リフォームをしてからより高い賃料設定で募集を開始するというものです。より多くの収入が得られること以外にも、後者にはメリットがあると考えたからです。
部屋のオリジナリティはお客さんへの訴求力につながり、空室のリスクを減らす効果があるのではないかと考えました。そして、少なくとも穴があいた1部屋はリフォームを行う必要があります。そのついでに他の9部屋のリフォームもお願いしてしまえば、工事の単価も抑えることができますよね。
目標の利回り(20%)を達成するため、リフォームにいくら掛けられるかを計算してみると、400万円まではリフォームに掛けられることが分かりました。決められた400万円の範囲内で、10部屋のポテンシャルを最大限に引き出すことが求められます。
工事にどの程度の金額が掛かるか、慣れてくるとおおよその金額は想像が付くようになりますので、思い描いている工事内容が予算内で実現可能かどうかも大体の見当が付くというわけです。
ちなみに、こうした計算は購入前の段階で行っておくことをおすすめします。リフォーム前提で物件を購入したものの、工事に予想外の費用がかかってしまうといった失敗を避けることができます。
リフォーム業者の選定
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緊密にお付き合いをしている業者さんはいませんでしたので、3つの業者さんに相見積もりをお願いすることにしました。より正確な見積もりを出してもらえるよう、業者さんに現地を確認してもらうことに。
とはいえ、東京から150km以上離れた那須塩原に、そう何度も足を運ぶわけにはいきません。苦肉の策として考えたのが、1時間ずつ時間をずらして3つの業者さんに同じ日に見積りに来てもらうという方法。
1時半大宮発の新幹線に飛び乗り、何とか約束の3時に現地に到着。業者さんへの対応も無事済ませることができました。
お願いしようと思っていた工事内容は、次のようなものです。
・畳の損傷が激しい1室も2DKから1LDKへのリノベーションを検討
・比較的状態の良い8室の和室はそのままの状態で賃貸する
・10室ともキッチンのクッションフロアをフローリングに変更
・アクセントクロスの施工
・ライティングレールの設置
・シャワーヘッドを高級感のあるシルバーのものに変更、シャワーバーの取り付け
・風呂場の雰囲気を変えるため、ダイノックシートを貼る
・ドアノブを高級なレバータイプのものに変更
・キッチン水栓をシングルレバータイプに交換
・洗濯水栓を自動止水機能付きのタイプに交換
・クリック水栓付きの洗面台の設置
・ウォシュレットの取り付け
・ほか
次の写真は、リフォーム工事施工後のリビングと洋室、浴室のビフォー・アフターです。ご参考までに。
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これらの工事に加えて、施主からの部材支給に対応していただくことを条件にしました。その結果、私の目標に近い案を提示してくれたH社に、リフォーム工事をお願いすることになりました。
それから間もなく工事が始まりました。工期はおよそ2か月。11月末に無事引渡しが完了し、リフォームの甲斐あって募集も順調に進みました。
募集を開始して3か月が経った翌年の2月の下旬には満室となり、リノベーションした1LDKの2部屋は想定より1万円高い賃料、4万円で借りていただくことができました。リノベーションの成功事例として、これは私自身にとって勉強になった経験です。
最後に余談ですが、リフォームをお願いしたH社は私が現在執行役員を務めている前身の会社です。こうした繋がりは、ふとしたところでできるものなのですね。(執筆者:内田 陽一)