施設入居を考えた時、費用を抑える為に特別養護老人ホームを検討される方は多いですが、待機者が多く入居が困難という話を耳にし、あきらめかけている方も多いはずです。
今回は特別養護老人ホーム待機者の実情と入居するためのポイントを上げさせていただきます。
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目次
特別養護老人ホームとは?
介護保険の規則で定められた基準を満たしている介護保険施設です。そこで提供される介護サービスは介護保険からの給付が支払われる仕組みとなっております。
介護が常時必要で、自宅での介護が難しい人が、計画に基づき日常生活上の必要なお世話を受けながら生活していただきます。
入居の条件
特別養護老人ホームへの入居には、いくつかの条件があり、それを満たしていないと原則入居できないことになっています。
年齢が65歳以上の方
原則として65以上の方ですが、例外として介護保険法で定められている特定疾患(脳血管疾患等16種類)により要介護認定を受けていれば、入居することが可能となっています。
要介護度が3以上
2015度の介護保険制度の改正により、それまで要介護1以上であったものが、要介護3以上と定められました。なお、改正前から入所されている要介護1・2の方は引き続き入所可能となっています。
では要介護1・2の方は絶対に入所できないかというとそうではありません。下記に示した要件を満たしていれば、入居が認められるケースもあります。
・ 知的・精神障害等により、日常生活に支障を来し、常時見守りや介護を必要とする
・ 家族等から深刻な虐待が疑われ、心身の安全や安心の確保が不可欠である
・ 家族によるサポートや地域での介護サービスの供給が不十分である
伝染病などの疾患がない方
他の入所者の方に伝染する恐れのある場合、入所は難しくなります。
長期的な入院を必要としない方
特別養護老人ホームには看護師は常勤していますが、あくまで介護施設で医療施設ではないため、長期的な入院を要する方は入所できない事があります。
これらの条件を満たしていることが前提で、介護の緊急度や所得状況により入所の優先順位が決められます。
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待機者の現状
2014年3月には52万人の待機者がいた特別養護老人ホーム。しかし、現在その待機者数が大幅に減ってきていることはご存知でしょうか?
理由は上記でも示した通り、原則要介護3以上という取り決めが2015年4月にでき、入所条件が厳しくなったことです。
それから他の民間施設の激増もその原因です。国が2011年の法律改正で政策したサービス付き高齢者住宅(サ高住)がそれです。
税制の優遇と補助金により多くの民間会社が事業に着手し、数多くのサ高住が建設され、要介護度の低い人がそちらに入所するようになり、待機者が減ったのです。
サ高住は介護施設ではなく、提供されるサービスも限られており、又認知症や介護度の高い人を受け入れるところは少なく、特別養護老人ホームのように「終の棲家」とはなりにくいのが現状です。
入所するために知っておくべき4つのポイント
1. 入所は申し込み順ではない
入所は申し込みが早ければよいというものではなりません。
空きができた時、どの人に入所してもらうかは、施設の職員(施設長やケアマネージャー、介護職員など)が、会議を行い、要介護度や生活状況、身体状況を考慮し決定します。
待機者が多いからと諦めず、申し込みを行い、随時、状態・状況の変化を施設に連絡してみてください。
2. 複数の施設に申し込みを行う
申し込みは一つしかしてはいけないという決まりはありません。複数申し込むようにしましょう。又範囲もできるだけ広く探してみてください。
地域により高齢者人口は異なり、それにより空き状況も違います。少々遠くなることもあるかもしれませんが、入所することを最優先される方は、探す地域を広げてみてはいかがでしょうか?
3. 特別養護老人ホームを運営している法人の他の介護事業所を利用する
ショートステイやデイサービス、訪問介護を特別養護老人ホームと併設して運営している法人は数多くあります。
入所までに他の事業所を利用しておくことで、施設側に入所予定者の状態が伝わり、入所しやすくなることもあり、又入所が決まった時、家族としても顔見知りの職員が近くにいることで安心できます。
4. 新設の施設を常にチェックする
新設であれば当然、空きはたくさんあり、一度にたくさんの受け入れを行うので、入所できる可能性は大いにあります。
情報収集は、市町村やケアマネジャー、求人情報から得ることができますので、細目に確認を行ってください。
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まとめ
数年前に比べると待機者の減少や入所条件の改正により、要介護度や状況によっては入所しやすくなっています。
それでもすぐに入所することは難しいですが、諦めずに上記の項目を参考に申し込みを行ってみてください。もしかしたら、思いもかけず、すぐに入所が決まるかもしれませんよ。(執筆者:佐々木 政子)