皆さんはエンディングノートと呼ばれる物を御存知でしょうか。
昨日までは元気に出かけていた親がある日突然介護状態になってしまった場合意志の疎通が出来れば幸いですが、認知症や脳に重度の障害が出てしまった場合等は、中々本人の考えや意志を汲み取る事は難しくなってきます。
そこで今回はエンディングノートというものを交えて、介護生活への備えをみていきたいと思います。
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目次
エンディングノートとは?
終活という言葉が世間で広まり始め、自分が将来どのように齢を取り最後を迎えたいかと考える人も多くなりました。
エンディングノートには遺言書のような法的な効力を持つ物ではありませんが、本人の意志や希望を書き留め、家族に残しておくにはとてもよい物だと考えます。
自主的に書く場合は「いざと言う時はこれをみてね」と家族に渡しておくのも良いかもしれません。
書く内容は?
・ かかりつけ医
・ 知人や友人のリスト
・ 保険関係や財産
・ 重篤な状態に陥ったときの延命について
・ 墓や葬儀
・ 自分にもしもの事があった場合のペットの事
など、実に様々な項目があります。
自分しか知らない情報を書いておく事で、いざというとき家族が困らないようにするというものです。
どこで買う?
エンディングノートは文具店で販売されている物やインターネット上でダウンロードできる物もありますが、必要な項目がしっかり書かれているのであればお気に入りのノートなどに書き綴っても良いのではないでしょうか。
ただし、遺産相続等の遺言を残す目的の場合は別途、公証人・司法書士・弁護士などの専門家へ依頼することも検討してください。
エンディングノートはあくまで本人の希望と記憶を記すものです。
突然渡すのは気が引ける…
いくら親子とはいえ、突然このような物を渡すのは気が引けるかもしれません。
自分の将来の年金の話や、両親が介護状態になった時にどうすれば良いかなどを日々の生活の中で話してみましょう。
きっかけをつくり、様々な会話をしていく中でそれをまとめるために書き留めておいてはどうだろうかと提案するという方法もおすすめです。
かしこまった物ではありませんので、思い出の写真を貼り付けたり、書き方も砕けた表現であって構いません。
伝えたい事、こうして欲しいという事、希望を思うままに書いて貰うのが一番です。
特に資産の部分は元気なうちはシビアな問題です。「心配になったら書いておいてね」という程度で良いでしょう。
将来子供に財産管理を頼まなくてはいけないと考えているのであれば、しっかりと書き留めてくれるはずです。
託される側もしっかりとした情報が把握できていると、いざ財産管理を任された時に介護費用などの計算がしやすくなりますね。
また、どこで生まれどのような人生をおくってきたのかあまり聞く機会がないような部分も、思い出のように書き留めて貰う事で施設入所などの際に本人のプロフィール情報として提供する事ができます。
家族も新たに知る両親の一面があると、自然と会話が弾みそこからまた新しい思い出を聞く事もできますよ。
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まとめ
普段色々な会話をしていても、いざと言う時に「あのとき聞いておけばよかった!」なんて事がたくさんあります。
例え聞いていても、高齢化による認知症の症状が出た場合や物忘れで聞いた当時と記憶が曖昧になることもあり、再確認が難しくなる場合もあります。
どのような生活と最後を望んでいるのだろう
これは1人で考えても答えはみつかりません。
何かのきっかけからしっかりと意志や希望を確認し、良好な家族関係を続けながら家族や親族と一緒に両親の将来について話し合いをすることが大切です。(執筆者:佐々木 政子)