介護施設を利用するにあたって、必ず生じるのは職員と家族とのコミュニケーションの問題です。
介護される側と職員とのコミュニケーションも大切な介護の一つです。
お世話になっているといえ、お金を払っているのですから安全で安心のできる介護サービスを受けたいと誰もが思っています。
良い施設、事業所の見極めるコツとして今回は介護職員の対応の仕方のどこに着目するべきかをお伝えしたいと思います。
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目次
利用者や家族との距離感
どの介護施設も利用者が安心して生活できるよう心がけています。
利用者からみると自分の子や孫と同年代の職員が24時間体勢で勤めているわけですから、第二の家族のように感じることもあるでしょう。
これは職員側も同じで、やはり家族のように温かい気持ちで介護にあたっている職員も多いですが、あくまで利用者 = お客様であり利用者の家族もお客様です。
利用者が日常生活を送る中で円滑な介護のために、まるで家族のように接する事もあるかもしれません。
ですがアットホームが度を越え職員と利用者、職員と家族のボーダーラインが不明確な介護をしている場合は注意しましょう。
あくまで職員は職員であり業務であるという事、どんなに仲が良くなってもたとえ利用者の家族が知り合いだったとしても、業務中は職員としての自覚をもって対応しているかが重要です。
利用者や家族に対する言葉遣い
どのような業種や職種でも敬語や丁寧語が社会人の基本です。
介護業務も同じく利用者を敬い尊重する必要があり、不用意に「○○ちゃん」などと呼んでいるようではいけません。
しかし、「○○さん」と声をかけても返事をしてくれない人が「お母さん」、「お父さん」と声をかけると返事をしてくれる、認知症の症状のせいかそんな利用者さんもいらっしゃいます。
一定の信頼感とコミュニケーション力が必要となる介護の現場ですが、同年代の友達や我が子に接するように砕けすぎて居る場合それを不快に思う家族がいる場合などはクレームとなる事が多いです。
また、信頼関係が築けていたとしても、乱暴な言葉遣いや周囲の人間が聞いていて不快に思うような言い回しをする職員が居ないか、面会時の会話は丁寧だが他の利用者には乱暴な言葉遣いで対応の仕方が激変していないか等も見てみると良いでしょう。
施設の立地によっては方言やその土地独特の言い回しなどがあります。職員も、その地域の出身とは限らず様々な地域から勤めに来ている場合があります。
その場合どうしても、乱暴に聞こえてしまう言い回しがあるかもしれません。
施設ではどのような時でも利用者を不快にさせぬよう丁寧な対応を教育しているところが多いですが、あまりにも耳に余るようであれば相談をしてみると良いでしょう。
行動
車椅子の押し方や車椅子からベッドへの移乗など、乱暴であったり傍から見ていて不安に思う行為はないでしょうか?
利用者の私物の取り扱いも乱暴ではないでしょうか?
利用者をお預かりしていると同時に、衣類や私物も施設ではお預かりしている事になります。それを雑に扱われたり、破損されては気が気ではありませんね。
介護やそれに伴う行動、一つ一つが雑になるといつか利用者に怪我を負わせてしまう事態にもなりかねません。
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理解
担当する職員だけではなく、介護にあたる職員は全員が利用者についての理解を深めなくてはいけません。
病状だけでなく、その人の性格やそれまでの生活、どんな趣向があるかなど、入所時にケアマネージャーや相談員が家族から提供してもらった情報を共有します。
また、どのような言葉で不穏になるか、どのような行動で不快に思うかなどを熟知する努力が必要です。
家族構成なども含め、事前に情報提供して頂いたものをしっかりと理解して利用者の介護にあたっているかがポイントです。
まとめ
職員一人一人、利用者のために日々努力をして介護にあたっています。
職員も1人の人間です。家族や利用者との意志の疎通が上手く行かない事もあるかもしれません。
気になることや、対応の仕方を変えてほしい場合は「こうして!」と強く言うのではなく、家族側の希望として相談をして上手くコミュニケーションを取ってみると良いでしょう。(執筆者:佐々木 政子)