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介護福祉サービス(介護保険サービス)と障害福祉サービス
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身体障害者等18歳以上の障害者や難病患者、障害児を対象とした支援である障害福祉サービスと、基本的に65歳以上の高齢者を対象とした支援である介護福祉サービスがあります。
それは全く別の施策により成り立ちますが、どちらのサービスの対象者にもなる存在があることが明らかになり、引き続きどのように折り合いをつけていくかが課題となっています。
今回は施策の基本的な点を取り上げ、どちらを選ぶか考えていきましょう。
介護福祉サービス(介護保険サービス)
介護保険においては、40歳以上が被保険者となり保険料を支払う義務があります。65歳以上の介護認定を受けた高齢者は介護保険サービスを利用できます。
40歳以上65歳未満の脳血管疾患、若年性認知症などの特定疾患による介護を必要とする状態の被保険者も介護認定を受けたうえで介護保険サービスを利用できます。
現在、障害福祉サービスを受けている障害者のうち身体障害者療養施設やハンセン病療養所などの施設の入所者は介護保険料が免除になります。
その他の施設の入所者や他の障害者に対しては介護保険は適用されます。
障害福祉サービス
介護給付と自立した生活や就労を目指す人への職業訓練支援等のための訓練給付があります。
支援の内容やサービスを比較し同様のサービスがある場合
今まで障害福祉サービスを受けていた人でも介護認定を受け、介護保険のサービスを優先して受けることになっています。
ただし介護保険にないサービスが利用したい場合には引き続き障害福祉サービスを受けることができます。つまり要介護者であっても障害者サービスを受け続ける場合があるということです。
主な参考元:浦和市公式サイト / 泉南市HP
問題点
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障害福祉サービスにおいては、原則としてはサービス料は一割負担ですが、20歳以上であれば所得に応じて利用負担額の上限が決まっています。
生活保護世帯や市区町村民税非課税世帯に対しては0円となっています。その他の場合も利用したサービスの量に関わりなく負担額が決定されています。
介護保険料にも減免制度があり、もちろん所得に応じて利用料負担が1~3割となってきています。
それでもこの介護保険サービス優先ルールが決まってから、障害者の中には
「そのサービス利用を優先しなければならないという状況が難しい」
という苦情が出るようになってきていました。
もちろん今まで何十年も施設で過ごしてきた、例えば高齢知的障害者も同様の基準で介護サービスを受けるよう求められたとしたら、動揺が生じることは容易に想像できます。
介護保険による入所施設においても知的障害への専門的な知識の不足等、対応する職員の側にも変化が求められることが考えられます。
現在高齢期を迎えている障害者には、急激な負担額の増加やサービスの変更等他にも様々な問題が生じているのです。
このような事態を受け、2016年1月に65歳以上の障害者の介護保険サービス利用料について減免措置を行うという方針が決められました。
まとめ
現在介護保険制度はもちろんのこと、障害福祉サービスとの折り合いという点でも大きな問題が生じていることがわかります。これらの様々な課題はたびたび法の改正が行われ、見直しがされています。
その為、以前行えたことが不可能になったり、難しかったことができるように改善されていたりします。
悩んだら相談
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福祉サービスを利用したいと願う時に行えるのは、まず、悩んだら障害福祉サービスにおいては担当の相談支援専門員に相談することです。介護保険サービスにおいては担当のケアマネージャーに相談することだと言えます。
金銭面での負担は大きなストレスとなります。規定が細かいのでわかりにくいのですが、今のご本人の状況と身体状況をしっかりと把握し、不便を感じている部分を明確にしておくことがポイントです。
よくわからない時には相談することによって、支援してもらい部分か見えてくることもあります。
多くの対象者がふさわしいサービスをふさわしい負担のうちに受けられるように改善されていくことを願います。(執筆者:佐々木 政子)