とは、親ならば誰もが思うこと。そして、そのためには十分な教育が不可欠なのでしょう。
「大学に行きたい」と、子どもが言ってくれるなら、資金面ではサポートしてあげたいですよね。
「恋は盲目」ではないですが、だからといってやみくもに、そしてみんながやっているからと言って、学資保険に加入するのは反対です。今回は、教育資金の盲点について考えてみたいと思います!
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目次
1. 貯まったお金は誰のもの?
ズバリ、積み立てた親のものです。学資保険のように、子どもの年齢に合わせて受け取れるように設定されていると、勘違いしてしまいがちですよね。
ですから、仮に子どもが18歳の時に学資保険の満期保険金を受け取ったからといって、それを必ず大学へ納めなければならないなんてルールはありません。
子どもが高卒で就職すれば当然不要ですし、家計の状況が許せば、「教育資金」として用意したお金を、大学入学後も手を付けずにとっておいたって良いんです。
反対に言えば、もし「教育資金」というラベルを貼ったお金を計画的に用意していなくても、子どもが大学入学のときに必要な手持ち資金があれば、それでOK。
18年は長い
投資やローンの繰り上げのように、お金に働いてもらうには十分な時間です。そのお金を、わずかな利率のためにフリーズさせてしまうのはもったいないという考え方も、できますよね。
ついでに言うと、中学3年生まで毎月1万円もらえる児童手当(3歳未満の子どもには1万5,000円、所得制限あり)だって、受給資格者は父母ですから親のお金なんですよ。
もちろんだからといって、親が自分の快楽のために使っちゃあバチが当たるとは思いますが。
2. 子どもの「平等」はリスキー
「教育資金」は親自身の資産です。そして「学資保険」という名の保険商品などで運用しながら準備する方が多くなっていますよね。
でも、ここで立ち止まっていただきたいのです。資産運用の鉄則は分散です。
・ 保険
・ 投資信託
・ 株式
・ 債券
などなどのさまざまな方法でバランスよく運用してこそ、安定的に殖えますし、インフレをはじめとするリスクも最低になります。
そう考えると、第一子にも第二子にも同じ保険会社の同じ保険商品で教育資金を用意するというのは、実はけっこう危ない橋なのではないでしょうか。
親心としてはどの子どもにも平等に愛情を注ぎたいところですが、こと教育資金については「平等」はリスキーです。
なんていう考え方にも妙味ありでしょう。結局全部、親のお金なのですから。
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3. 税金はさけて通れない?
一生涯の収支がゼロで生を終えることができるなら、こんなことは考えなくてよいんです。でも、ですよ。わが子には自分がしたほどの苦労をさせたくないというのも親心。
だからみなさま、あの手この手で子どもに資産を移そうとされています。そこに税がかかる。贈与税でも、相続税でも、控除後の金額から最低でも10%が課税されますからね。
課税対象が100万円でも10万円が税金になります。これは痛い。もちろん累進課税です。
教育資金は親が自由に使えるお金
なのに、です。教育には税がかかりません。いやもちろん、おもちゃ代や塾などの習い事の授業料には消費税がかかりますよ。
けれども、贈与税や相続税のような税は、教育という贈与にはかかりません。これは一考に値します。
親が子どもの教育費を何百万円、何千万円負担しようが、課税されません。資産をいったん教育サービスに転換するだけで、子どもが100%受益していても非課税なんです。
よくよく考えると、かなりオイシイ節税です。
4. 無償化されるというウワサ
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ここまで読んでくださった方々、ありがとうございます。申し訳ないのですが、最後にすべてをひっくり返すような話題をひとつ。
実は、教育資金は親が用意しなくて良いかもしれません。現在政府では、大学の無償化について議論が始まっています。子をもつ親としては、無償化はうれしい限りですよね。
肝心の財源をどこからひねり出すかですが、「教育国債」の発行、新たな社会保険「こども保険」の創設、大学授業料を「出世払い」にする、公務員の人件費を削る…などなど、まだまだ議論は始まったばかり。
しかし、あまりにも脆弱とはいえ給付型奨学金制度もすでに始まっており、この流れは加速していくのではないでしょうか。
そうなると、今年誕生した子どもが18歳になるころには、用意した「教育資金」は使い道がなくなってしまうかもしれませんね。
その時にも、住宅取得等時や祖父母からの教育資金の一括贈与のような、贈与税の非課税特例制度が残っていれば良いのですが…。(執筆者:徳田 仁美)