急に健康状態の悪化により介護状態となり支援を受けなければ生活ができない状況となった時に独居の場合、家族がいる場合では手段と考え方はそれぞれ違ってきます。
独居の場合、お金があればもちろん施設を検討することは簡単です。しかしお金がないとなれば、一大事です。
また家族がいる場合、お金があれば施設を検討することはもとより、在宅支援をたっぷり利用し家族の負担少なく、現状を維持しながら生活を保っていくことが可能となります。
しかしお金がなければ当然、介護保険のサービスも最低限しか利用ができないため、家族が介護の負担を背負わなければならなく可能性が高くなります。
介護のために仕事も休みがちになってしまい、最終的には離職しなければならないような状況に陥ることも少なからず考えられます。
お金がない場合、介護はどうしたらいいの? どのように進めていくのがよいのか、手段はあるのでしょうか?
目次
相談する場所の確保

医療機関に入院中に在宅に帰ってから今までとおりの生活が困難であるということになれば、当然これからの生活に不安を持ち先が見えない状況となってしまいます。
ましてお金がないとなれば大きな不安です。でも心配はいりません。医療機関には医療相談室があります。
退院前に、今後のことを相談する場所があります。ここでしっかりと相談しておきましょう。
施設へ行くのか在宅復帰するのか、そこは相談員と話し合いましょう。
介護が必要な状況であれば、もちろん介護保険の申請ができるように勧めてくれます。
自宅で過ごす
在宅に帰る、という結論がでれば在宅支援の担当となるケアマネージャーに繋げてくれます。
もちろん介護保険サービスもどれぐらい使ったらいいのかなどのアドバイスもあることでしょう。
施設で暮らす
施設へという話になれば、いろいろな施設を紹介してもらえるでしょうし、いろいろと相談にのってくれます。
相談室が無い場合は?
もし医療機関に相談室がなければ、役所や地域の包括支援センターなど相談相手として専門の人と話し合っていくことが大事になります。
家族でまたは1人で抱え込んでもよい結果は出ません。
生活保護の申請
どうしてもお金の捻出が困難であり今後生活していくことが、まったく困難な状況となるのであれば、年金や預金の状況にもよりますが、役所に相談し生活保護の申請をします。
保護受給者となれば、保護費で入ることができる施設があります。
特別養護老人ホームや老人保健施設などいろいろありますので、相談してみることをお勧めします。
生活保護受給者として在宅での生活を継続していくこととなれば、介護保険料は、生活保護の介護扶助からでることとなり自己負担がなくなります。
家族と同居の人は、いろいろな面で手続きが大変になると思いますが、役所の生活保護係へまずは相談しましょう。
出せるだけの介護保険サービスを利用するのが妥当

お金がなく必死で節約しながら生活してきたのに、突然介護が必要となってしまったときに出せるお金がなく困難してしまい、どうにもこうにもならない状況に陥る人たちがたくさんいます。
お金がない、施設に入ることができない、家では介護できないという話であれば、今後の方向性がまったくみえない状況となってしまいます。
施設を利用するお金を出せない状況であれば、なんとか在宅生活で家族が支援し、出せるだけの介護保険サービスを利用するのが、介護をする上で介護へのお金を一番抑えた利用方法となります。
いつまで続くかわからない身体的負担と精神的負担ははかりしれませんが、介護はいつかは終わります。
施設入所費を何とか工面するのもひとつ、自宅で頑張るのかどうするべきか決断が必要となってしまいます。
公的制度の生活保護を利用することも選択肢の1つとなります。(保護制度も家族に扶養能力があると判断された場合には受給が受けられない場合があります)
まとめ
「お金のことは心配ないです。ここの施設で、病院で、面倒を見ます!」 といってくれるような所はありません。
どうしたらいいか頭の痛い話です。
「出せない」、「できない」、「何とかしてくれ!」 と言うより、相談場所へ足を運んで策を考えることで一歩前に進むことができます。
相談した上で、苦渋の決断をしなければならない時もありますが、必ず良い方法が見つかります。
相談することで視野が広がり、自分が次やるべきことなどが見えてくると気持ちが楽になることでしょう。
必要があれば公的制度を利用し負担軽減をしていくことが、介護を楽に長く続けていくコツになりますよ。(執筆者:佐々木 政子)