自分の親を介護することになった時、有料介護老人ホームという選択肢があります。
数多く存在する介護施設の中の一つですが、有料介護老人ホームは現在3種類あります。
この種類の違いと費用の差を知っておくことにより、現在必要としている介護をスムーズに受けていくことができるでしょう。
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目次
本人の状態によって、適切な有料老人ホームを選ぼう
有料老人ホームは名前も似ていることもあり、全て同じように見えるかもしれませんが、全て異なるシステムで運用されています。
それぞれの有料老人ホームの特徴と、費用の目安をみていきましょう。
1. 介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームは、老人福祉法の定める人員配置を満たした施設であり、バリアフリーの環境などの基準、介護職員、看護職員、機能訓練指導員などの人員を配置している施設となっています。
人員の配置が決まっているため、24時間専門のスタッフのケアが受けられるという場所も多くあります。
場所によって金額にも開きはありますが、大きな特徴として、入居一時金を先に支払っておくことにより、終身まで生活をする権利を得ることができます。
生活していた年数によって払い戻しの制度もありますが、入居前には数百万円というまとまった金額が必要になります。
その上で月々10~30万円の利用料が必要になってくるため、入居前にはしっかりと金額の詳細を確認しておきましょう。
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2. 住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、「居室を賃貸形式で借りる」というイメージを最初に持っていただくとわかりやすいと思います。
月々の部屋代(家賃)などを支払い、介護に必要な人員として「訪問介護員」を別途委託するシステムになります。
介護が必要になる時間帯に応じて、訪問介護員が居室に訪ねてくるというものです。
比較的状態の安定している方などが対象となりますが、場所によっては医療スタッフを配置している場所もあります。
入居一時金を廃止している場所もありますので、一度にまとまったお金を用意しなくてもよいというのもメリットです。
しかし、場所によって提供しているサービスにもばらつきがあり、本人にとって必要なニーズを満たしている施設かどうかを入居前にしっかりと確認しておきましょう。
また、居室を賃貸で借りた場合、必要な介護用具は自分で用意しなければならない場合があります。
個人で自由にレンタルできるというケースもありますが、入所施設とは異なり、手続きを再度おこないながら必要な物品をそろえていきましょう。
介護度の高い方の場合、状態によっては頻繁に介護が必要になることがあります。
外部の訪問介護員が訪ねてくる時間がずれてしまうと、転倒などの事故がおきるリスクも高まるというデメリットがあります。
場所によってはスタッフが常駐している場所もありますので、入居前にはホーム側に1日の体制を確認しておくことをおすすめします。
月々の利用料も、委託する介護サービス内容によってばらつきはありますが、おおむね10~20万円が必要になってくることが多いです。
3. 健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは全国的にみても数は多くはありませんが、介護を必要としない方が対象となる施設です。
自宅で一人で過ごすことに不安があったり、他者と交流しながら過ごしたいという方が利用します。
介護が必要となった時点で退去しなければならないため、老後を施設で元気に過ごしたい方に向いている施設ともいえます。
入居一時金が他のホームよりも高めに設定されており、まとまったお金が必要になります。
月々の利用料にも開きがありますが、おおむね10~40万円が必要になってくることが多いです。
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まとめ
有料老人ホームにも種類がいくつも存在しており、名前だけでは判断がつきにくい場合があります。
本人にとって必要な介護サービスを受けることにより、家庭にとっても、本人にとっても満足のいく費用でおさえたいものです。
特に介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームの違いを知っておくことにより、ホーム見学の際にいろいろと質問をすることもできるようになります。
本人のニーズにあった有料老人ホームを見つけることが、何よりも大切な第一歩になります。(執筆者:佐々木 政子)