車を運転する人には欠かせないものの一つに、自動車保険があります。
そのうち、任意の自動車保険については、インターネット割引、ゴールド免許割引、年齢による割引、等級による割引など、多彩な割引メニューがあります。
実はそれだけでなく、どの車に乗るかによっても、保険料は変わってくるのです。

目次
「車両料率クラス」とは?
乗る車によって変わる保険料の仕組みを「車両料率クラス」と呼びます。
料率クラスとは、車種別の型式ごとにリスクを算出し、それに基づいて保険料が決定される仕組みで、「損害保険料率算出機構」という組織が算出を行なっています。
クラス分けは「対人」「対物」「損害」「車両」の4つのカテゴリーに分けられ、それぞれ「1~9」にクラス分けされます。
数字が大きいほど、リスクが高くなるため、保険料も高くなるということです。
人気車種の車両料率クラスは?
では、ここでは人気車種の車両料率クラスを公開しましょう。

最近の人気車種は、軒並み数字が下がっています。
これは、自動車メーカー各社が安全対策に力を入れていることが大きな要因です。
衝突被害軽減ブレーキシステムや誤発進抑制システムなどが、多くの車に搭載された結果、数字は下がる傾向にあります。
保険料が高くなる傾向のある車は?
車選びをする際、どうしてもほしい車があるのならば別ですが、どれにしようか悩んでいるならば、任意保険の保険料も車選びのポイントです。
ここでは、保険料が高くなりがちな車種やボディタイプを紹介しましょう。
スポーツカー

まずは、スポーツカーです。
ホンダの「NSX」(型式:NA2)の場合、対人7、対物1、傷害5、車両7となっています。
スポーツカーは最高速度が他の車よりも出ますし、スピードを出して運転する方が多く、事故を起こす可能性も高いです。
また、事故を起こして車を修理する際、スポーツカーは高級なパーツを使用しているため、修理費が高くつく点も、リスクを上げている要因です。
高齢者が運転する傾向の多い車

意外かもしれませんが、トヨタのプリウスやアクアも料率クラスは割高です。
アクア(型式:NHP10)の料率クラスは、対人5、対物5、傷害5、車両4となっています。
プリウスやアクアは決して古い車ではありませんが、それでも料率クラスが割高なのは、ドライバーに高齢者が多いのが理由です。
理由ははっきりとしないものの、アクアやプリウスに乗った高齢者の事故率の高さと、料率クラスの割高さは決して無関係ではありません。
盗難の可能性が高い車

そして、ハイエースの料率クラスも比較的高いです。
型式TRH214Wの場合、対人7、対物6、傷害6、車両6となっています。特に注目すべきは、「車両6」です。
ハイエースによる事故もリスクを上げている要因ですが、他の車にはない要因としては「盗難リスク」があります。
ハイエースは壊れにくく使いやすい日本車と言うことで、日本国内のみならず海外でも人気の車両です。
日本損害保険協会が発表している「自動車盗難事故実態調査結果」では、2007年より7年連続ワースト1となっており、近年もプリウスに次いで連続2位を記録しているほどです。
盗難被害が多いため、車両保険の部分が高くついています。
料率クラスを車選びの一つの参考に
逆に、保険料の安くなる傾向の車もあります。
・衝突被害軽減ブレーキ搭載車
・誤発進抑制装置の搭載車
・35歳~55歳のドライバーが多い車
・カーテンエアバッグ装備車
などです。

例えば、スバルのインプレッサ(型式:GP7)などは、最新のアイサイトを搭載しており、その結果、対人2、対物3、傷害3、車両3と、かなり低い数字です。
クラス1とクラス9では、保険料は約4.3倍にもなります。

気になる車がある場合には、損害保険料算出機構のサイトに、「型式別料率クラス検索」の機能がありますので、検索して保険料節約の役に立ててください。
もちろん、料率クラスが高いからと言って、その車が危ない車というわけではありません。(執筆者:角野 達仁)