東証一部上場の超大型IPO、SGホールディングス(9143)。宅配、国際輸送等も手掛ける佐川急便の持株会社です。
公募価格は仮条件上限の1,620円で決定。時価総額は5,187億円と想定されます。
時価総額が7,000億円に迫った日本航空(9201)と同様に、初値上昇はそれほど大きく期待できないでしょう。個人的には、公募価格を数%上回る程度だと想定します。
では、上場後はどうでしょう。セカンダリで買いに行くべきか否か。
今号では、SGホールディングス(9143)の上場後の投資戦略について考えて見たいと思います。
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目次
セカンダリの買いもそれほど上昇は期待出来ないと想定
あくまで私感ですが、SGホールディングス(9413)の上場後の買い付けにはそれほど魅力がないと感じます。
仮に株価が上昇しても、日経平均やTOPIX等のインデックスを大幅にアウトパフォームすることは考えにくい。バリュエーションや直近の業績推移を見ても既に頭打ち。
利益成長はしているものの、劇的な業績改善が期待出来る業態とは言えないでしょう。
PERは15倍程度、成長率は向上も売上高は頭打ち
SGホールディングスのバリュエーションを確認するとPERは15倍程度でEPSは約106円。
同業他社を直近のPERで比較してみると、日本通運(9062)が16.6倍、ヤマトホールディングス(9064)が77.2倍、日立物流(9086)が16.2倍です。
これらの数値を鑑みれば比較的割安と言えるでしょう。
しかし、ヤマトホールディングスをのぞく2社はSGホールディングスとそれほど変わりありません。
仮に、SGホールディングスが日本通運のPERと同程度まで買われたとしても、それほど株価の上昇余地がないことがわかります。
また、利益成長率は成長傾向にあるものの、売上高の推移は頭打ち。大口顧客への値上げ効果の恩恵を受けるようになるまでは、もう少し時間が掛かるでしょう。
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株主の構成と日立物流との資本提携は好材料
今回の上場では、大株主のロックアップが掛かっていることはもちろんのこと、株主の構成を見るとまとまった売りが出ることは想定しにくい。
この点はポジティブな材料でしょう。筆頭株主は従業員持株会、かつ、主要株主にもメガバンク等の安定株主が名を連ねます。
ベンチャーキャピタルの資金が入っていないことで、急な下落を心配する必要はありません。また、日立物流との提携を強化も好材料です。
法人の物流に強みを持つ同社と提携を強固にすることで、対法人向けサービスが強化されます。
大幅な上昇は期待出来ないものの、長期保有すれば恩恵を受けられるかもしれませんね。(執筆者:徳田 陽太)