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「経費」の概念
年末に、経団連が副業・兼業の容認へ方向転換という話題が出ました。
サラリーマンはもちろん、フリーランスや、専業主婦の方にとって、副業を行うことは税制面での優遇があります。
その一番大きなものと言えるのが「経費」です。
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雑所得にかかる「控除」は多岐にわたる
・ オークションやフリマサイトを使っての収入
・ 加えてポイントサイトでのポイント収入
などは、ほとんどが「雑所得」に分類されます。
雑所得に「控除」は残念ながらありません。
しかし、収入を得るのにかかった費用は「経費」としてほとんど差し引くことができる仕組みになっています。
当たり前と言えば当たり前なのですが、会社で働いていたり、主夫をしていたりすると、経費として計上できるものを見落としがちです。
そのポイントを見ていきましょう。
1. 副業をすることで経費として使えるお金も増える
収入を得るために必要であった費用は経費とできるため、収入自体は大きくなっても、経費として差し引くことができます。
実質の「もうけ」のみを所得にできるというのが大きなポイントです。
「経費」となるものを具体的に紹介します。
インターネットを使用する場合
・ インターネットの使用料・接続料
・ パソコンやスマートフォンの本体など
ただし、プライベートでも利用する場合は、一定の割合分を計上します。
1日に2時間使用する場合は、2時間 ÷ 24時間で、12分の1は経費として計上できます。
各種手数料
・ システム手数料
・ 振込手数料など
記事などを作成する場合
必要になった費用は経費として計上できます。
・ 文具代
・ 書籍代
・ 取材を行った場合は入園料など
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2. 給与所得との違い
自分で仕事のために購入したものは経費になるのが、給与所得との違いです。
サラリーマンなどの給与収入であれば、所得控除は一定割合であるものの、そのまま所得として課税対象です。
仕事で必要なものでも、自分のお金で購入した書籍や手帳、文具、またはスーツや靴、仕事上の付き合いでの飲食は経費として給与から控除されるわけではありません。
厳密に言えば、会社が経費と認め、その額が通常70万以上の一定額以上になれば控除できます。
収入を得るために必要なもの=経費
副業・兼業、またはフリーランスとしてした仕事に関しては、これらの費用を経費として計上できる場合もあるということです。
これは、自営業の方では当たり前になっている当然の節税対策の考え方でもあります。
収入を得るために必要であった費用は経費とできるということを長年企業で働いてきた人にとっては盲点となりがちなポイントなので、ぜひ覚えて活用していきましょう。
経費になるかどうかわからないものでもレシートを取っておくのがおすすめです。
どの仕事で必要になったものかとリンクさせておくのと同時に、明細のない領収書の場合は、購入品目を控えておくのを忘れずにしてください。
3. 少額であれば、すべてが手取り収入となる場合も多い
サラリーマンなど2,000万以下の給与所得がある方では20万までの所得であれば、確定申告の必要がなく、つまりは20万までの所得は税金が一切かかりません。
この20万の所得というのは、仕事に関してかかった費用を引いた「所得」としての20万なので、例えば100万の収入があっても、そこに80万の経費が掛かっていたのであれば、所得は20万です。
今年からは、基礎控除が48万
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給与所得のない誰かに扶養されている主婦の方などに関しても、所得が48万以下であれば、基礎控除の48万を引いて所得はゼロということができます。
給与所得者は20万以下の所得、扶養されている方は48万以下の所得であれば、確定申告も必要ありません。
もちろん、この所得以下で税金が引かれている場合は確定申告することで、税金が返ってきます。
48万というと、月に4万の稼ぎであれば税制上は所得なしとカウントされるということです。
これに加えて、月のインターネット代の一部や必要な道具が経費となるので税制面からいうとかなりお得です。
もっと控除を使い倒したいと思う方はぜひ青色申告にチャレンジしてみてください(執筆者:小柳 結生)