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【配偶者に居住権】約40年ぶり…民法の相続分野の見直しは、実際の相続にどう影響するか検証しました

税金 相続・贈与
【配偶者に居住権】約40年ぶり…民法の相続分野の見直しは、実際の相続にどう影響するか検証しました

配偶者に居住権


民法改正案として「配偶者に居住権」ということが、先日新聞に大きく図解とともに載っていました。

この改正案が実際の相続にどう影響するのか検証してみました。

改正の趣旨

「高齢の配偶者の住む場所と生活資金の安定的な確保が狙い。子供が家の所有権を受け継いても住み続けることができるように」

とのことです。

配偶者と子で遺産争いが現実にあるか?

筆者は愛知県で500件以上の遺産分割を経験しましたが、筆者の知る限りにおいてほとんどなかったです。

きょうだい間は、確かに程度の差はあれ調整に苦慮し譲りあってまとめることになります。

預貯金については配偶者を含め子と法定割合に分け、残りの財産は残された配偶者がまず相続し、次に残された配偶者が亡くなった段階で最終調整をするといったパターンが多いように思います。


意外ともめる「一人っ子」

最近、気づいたのが「一人っ子」の相続です。

このケースは意外にも揉めることが分かりました。

つまりこの民法の改正案は「一人っ子」が多くなり、親と一人っ子がもめる事案が増えてきたことが原因だったのかもしれませんね。

参照記事:最近の相続で問題になるのは、実は「一人っ子の相続」です相続問題は「一人っ子」でも起きる そこには根深い確執が…

民法の決まりはあくまで「もめた時の」ルール

相続が発生し、遺産分割協議をする際、民法通りに行わなくても違法ではありません

「相続人全員が合意すればよい」

「配偶者が相続しなくても、当事者が納得していればよい」

まずは「話し合い」です。

夫婦がともに資産家の場合も現実にあります。

子供のいない方が多くなりました

筆者が体験しなかで、今回改正に出てきた「配偶者の居住権」の問題が出てきた唯一の事例が、子供のいないご夫婦でした。

子供であれば、親の財産は両親が亡くなればいずれ子供に流れます。

お子さんのいらっしゃらない配偶者にとっては、相続人は

・ 故人のきょうだい(故人の直系尊属が生きていればその直系尊属)

・ 残された配偶者

です。

残された配偶者と血縁関係のない「きょうだい」が争ったことはありました。


おそらく結婚された時から、いろいろあったのでしょう、それは壮絶でした。

ひょっとしたら今回の改正は「一人っ子」、「子供のいない方」を見据えて考え出された制度かもしれませんね。

相続税への影響は?


法定相続分の変更ではありませんので、相続税の総額には変更はないと思われます。

相続税評価はどうでしょう。

夫の家に妻が住んでいる場合(扶養関係にあるから無償で)

今のところ居住権はないと思います。

居住権を認めた遺産分割が行われるようになると居住権と所有権を分ける必要があるかもしれません。

小規模宅地等の適用の有無はどうなる?

居住権が借地権であれば使えそうですが、借家権に近いと思いますので使えないような気もします。現時点では不明です。

そのあたりの法整備は今後行われるかと思います。(執筆者:橋本 玄也)

《橋本 玄也》
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橋本 玄也

執筆者:FP1級、相続一筋20年 橋本 玄也 橋本 玄也

父の死をきっかけに相続に関心を持つ。その後、祖母、母の相続と3回相続を経験。自身の体験から相続人の気持ちがわかるFPです。愛知県の会計事務所にて20年近く相続専門の実務担当として様々な体験をし、遺産分割はこれまで500件以上関わりました。まとまる相続、相続人全員の方から喜んでいただくのを生きがいに、おかげさまで在職中担当したお客さますべて、全員の合意による遺産分割を行うことができました。現在は経験を活し、老人会、市役所、商工会議所、ハウスメーカー、金融機関、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会等、講師を行っています。 <保有資格>:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、宅地建物取引士、相続診断士 寄稿者にメッセージを送る

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