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介護には「気力」「体力」「財力」が必要
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介護をしていく上では、気力、体力とともにお金も必要です。
介護サービスを利用するのであれば、その費用の1割か2割を負担しなければいけないですし、介護サービスにかかるお金以外にも、もちろん生活費だってかかります。
では、お金に困ってしまうのを避けるためには、どうしたらいいのでしょう?
そのコツについてご紹介します。
「介護離職」を防ぐ
「介護離職」という言葉をご存じでしょうか?
介護離職とは、家族を介護するために、仕事を辞めてしまうことです。
突然、遠方に住む一人暮らしの家族に介護が必要になった場合、仕事を辞めて駆けつけなければならないこともあるでしょう。
介護離職は最終手段にしていただきたい
なぜなら、自分の生活費や老後にかかるかもしれない介護費用の捻出が難しくなってしまうかもしれないから。
介護に専念するために、離職したとして、どれだけの期間かかるかわからない介護を終えた時、再就職できるとは限りません。
そうなった時、自分が年金を受け取れる年齢にはなっていないかもしれませんし、思いの外、介護や医療にかかるお金が必要な状態になっているかもしれないのです。
「介護離職」を回避するためには
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できれば避けたい介護離職ですが、それを回避するためにはどうしたらいいのでしょう?
それは、「介護休業」や「介護休暇」といった制度を活用することです。
この制度を活用して、介護休業が取得できた間に、必要な介護サービスについて手配したり、介護施設を探したりしましょう。
遠方で離れて暮らしている場合は、地域の介護事情が詳しくわからないと思いますので、ケアマネジャーさんに相談するといいでしょう。
「介護休業」
介護のために一定期間仕事を休むことができる制度です。
「介護休暇」
介護のために年間5日まで、というように1日単位や時間単位で休むことができる制度です。
頑張りすぎないプランを立てる
自宅にて介護を行うとなった場合、ケアマネジャーさんと相談の上で、
家族が担う部分はどこなのか?
といった点についての計画を立てます。
それがケアプランです。
このケアプランは、本人や家族、それぞれの介護サービスを担当するスタッフが、共通の認識でスケジュールを捉えることができ、介護の内容も共有できるものです。
このケアプランを作成する際に気をつけていただきたいのは、
ということ。
費用を抑えたがために介護サービスを最低限にすることも時には必要です。
しかし仕事を抱えながらの介護がいつまで続くのかもわからないとなると、仕事と介護はバランスよく計画する方が、結果的に長続きする在宅介護につながります。
頑張りすぎるケアプランで、介護する側が病気などになり、仕事も続かなくなったのでは本末転倒です。無理のない程度で、上手に介護サービスを利用するようにしましょう。
「ケアプラン」は、いつでも変更できます
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当初はできると思ったことでも、実際は難しいこともあります。やってみなければわからないこともあります。
そういった時にはケアマネジャーと再度相談してケアプランを変更できます。
また、介護者さんが急に体調を崩したといった場合についても、一時的な介護サービスの追加などにも対応してもらえることもあるので、ケアマネジャーさんに相談してください。
介護者が疲れない環境づくり
在宅介護をする際、仕事と介護の両立が難しく、仕事を辞めてしまったり、介護者さんが介護疲れの末病気になってしまうことがあります。
また、介護費用のことで頭を悩ませる方もいます。
仕事や介護で心身ともに疲れる中、できればお金のことでは悩みたくないものです。
利用できる制度や仕組みを上手く利用
これからは地域の力が育っていくと想定されています。介護サービスの在り方も変化しています。
介護サービスを提供する側も介護を頑張っているご家族のニーズに沿えるよう試行錯誤している現状です。
まずは、利用できる制度や仕組みを上手く利用しながら、無理のない介護生活を継続させていくことがコツです。
行き詰った時は、まずは身近にいる専門のスタッフに相談しましょう。そこから、悩みを解決できるスタッフまでたすきを渡してくれるものです。(執筆者:佐々木 政子)