近年、増設の勢いが増しているサービス付き高齢者向け住宅ですが、かかる費用が不明瞭だと感じている方が多くいます。
サービス付き高齢者向け住宅では、月額費用が変動してしまう点も理由のうちの1つではないでしょうか?
そこで、サービス付き高齢者向け住宅の利用料金がなぜ変動してしまうのかについてご説明します。
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目次
サービス付き高齢者向け住宅とは?
サービス付き高齢者向け住宅とは、60歳以上の方や60歳以下で要介護認定を受けている方が入居できる施設です。
一人一部屋、もしくは、ご夫婦やご兄弟などで二人一部屋が基本です。
建物の中はバリアフリー構造になっていて段差はなく、手すりなどが設置されています。
居室の中には、洗面台、トイレといった設備が整えられています。
他にも浴室、キッチン、収納については、居室にあるタイプのお部屋と、居室にはなく、共有のものが建物内にある場合があります。
一般住宅との違いとは?
いっけん、高齢者にやさしい作りのマンションといった印象の、サービス付き高齢者向け住宅ですが、一般の賃貸住宅とは異なる点がいくつかあります。
そのひとつが、契約の更新がないことです。
一般の賃貸住宅では高齢になると契約の更新時に退去を迫られる場合がありますが、サービス付き高齢者向け住宅にはそれがないため、希望する限り住み続けることができます。
また、施設内に1人以上医療や介護の有資格者を日中常駐させ、安否確認と生活相談ができるようにしなければならない義務もあります。
その他にも、24時間看護師が常駐している施設や食事の提供を行ってくれるサービス、掃除や洗濯などの生活支援をしてくれる施設もあります。
サービス付き高齢者向け住宅の月額費用が変動する理由とは?
特別養護老人ホームに入居した場合、決まった月額利用料以外に必要な費用は薬代、電話代、理髪代などです。
おむつ代は月額利用料の中に含まれます。
一方、サービス付き高齢者向け住宅に入居した場合、家賃や介護サービス費、食費、光熱費、日用雑貨費など、自宅で生活していた時と同じような費用がかかります。
もちろん、特別養護老人ホームでも必要になる、薬代、電話代、理髪代も必要ですし、おむつ代も自己負担です。
月にかかる費用のうち介護を受けるための費用については、特別養護老人ホームでは介護度別に一律なのに対して、サービス付き高齢者向け住宅では自分で自由に選択することになっています。
自分で多くのことが行えるうちはいいのですが、そうではない場合、費用が増大することがあります。
特に高齢者は風邪などささいなことをきっかけに、できることが急に減ってしまうことがあります。
そうなった場合、予定していた介護サービス以上のものを依頼しなければならなくなり、費用負担が大きくなります。
介護サービス費の急な増大を防ぐためには?
サービス付き高齢者向け住宅にも、介護サービスが介護度別に一律に設定されている施設もあります。
その場合、月額費用は比較的安定しています。
ですが、入居の初期費用が高かったり、介護が必要のない間も一定の介護費用が発生してしまうなどのデメリットもあります。
どちらの方が向いているのかを考えながら、入居を検討しましょう。
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まとめ
サービス付き高齢者向け住宅へ入居したいと検討する際には、実際にかかる費用がよくわからずに、困ってしまうことがあります。
費用について疑問に思うことがあるのであれば、入居を希望する施設にすでに入居している方がおおよその費用、いくらくらいかかっているのかを聞いてみたり、担当してくれているケアマネジャーがいるのであれば、一度計算してもらうと安心です。
聞くことは決して迷惑や恥ずかしいことではありません。
施設の担当者やケアマネージャーは知りたいことがあればいつでも頼ってもらいたいと思っているものです。
案外、聞いたこと以上に情報を教えてくれるかもしれませんよ。(執筆者:佐々木 政子)