1947年には54歳ほどだった日本の女性の平均寿命。
それが2016年にはおよそ87歳まで伸びています。
寿命にはまだ伸びしろがあり、今後100歳以上生きる方も珍しくなくなるだろう、ともいわれています。
長生きできるようになるのは良いことですが、その分老後資金がたくさん必要です。
年金の受給開始年齢や金額も今後変わっていく可能性は高く、男女問わず「なるべく長く働いてお金を稼ぐ」ことが、人生のマネープランにおいて大きな意味を持つようになってきました。
長く働き続けるために、「手に職」=「資格持ち」になりたいと考える方は少なくありません。
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そこで今回は、
・ 未経験者の求人が安定的
・ 国家資格または公的資格
という3つの条件を満たす、40代主婦におすすめの資格をご紹介します。
目次
登録販売者
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登録販売者は、2009年に新設された資格です。
この資格を持っていれば、一般用医薬品の約9割にあたる第二類医薬品と第三類医薬品を販売できます。
ドラッグストアなどで「登録販売者」というネームプレートをつけた店員さんを見たことはありませんか?
医薬品についての正しい知識を持ち、購入しようとしている方の相談にのったり、情報提供をしたりすることが主な仕事内容です。
登録販売者は国家資格です。
薬剤師とは異なり、誰でも受験できるところが大きなポイントです。
合格率も全国平均で50%前後と、国家資格でありながら難易度もそれほど高いわけではありません。
受験勉強も、通信教育やスクールなどを利用して行えます。
登録販売者の求人は安定的で、今後は医薬品を販売したいと考えているスーパーやコンビニエンスストアでも需要が高まると考えられています。
医薬品販売の専門家として、全国どこでも働ける登録販売者は、長く働きたい女性にはぴったりの資格といえるのではないでしょうか。
介護職員初任者研修
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介護業界で働く場合、まず取得しておきたいのが介護職員初任者研修です。
求人の応募条件として「介護職員初任者研修の修了」を掲げている施設も多く、資格不要となっている場合でも、有資格者と無資格者では給与条件にも差が出てきます。
この資格を取得することによって、料理や洗濯といった「生活援助」だけでなく、利用者の方の身体に触れる「身体介護」が可能になります。
指定されたスクールにて講義と演習を受けた後、修了試験に合格すれば資格を取得できます。
研修期間は1か月~4か月ほど。筆記試験は理解度を確認するためのものなので、それほど難易度は高くありません。
受講料はスクールによって異なりますが、10万円弱のところが多いようです。
また、ハローワークの職業訓練で取得できたり、スクールが運営する老人ホームに勤務することを条件に、受験費用を無料にしてもらえたりすることもあるので、受験をする場合はしっかりと下調べをしておきましょう。
介護職員初任者研修を取得した後は、より難易度の高い介護福祉士を狙うなど、キャリアアップの道も開けるため、長く働くことができます。
親の介護にも役立つ資格のため、興味がある方は取得を検討してみてはいかがでしょうか。
保育士
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共働き世帯が増えていく中で、保育士は今後も多くの求人が見込まれます。
保育士になるには、指定の養成学校(大学や専門学校など)を卒業するか、保育士試験に合格する必要があります。
保育士試験を受けるには、一般の大学・短大・高等専門学校を卒業しているなどの受験資格を満たしている必要あるので、受験を検討される場合はあらかじめ確認しておきましょう。
養成校に通う場合は2年以上の期間が必要で大きな費用がかかるため、40代から資格取得を目指す場合は、保育士試験を突破する方法を選ぶ方が多いと思います。
保育士試験は筆記が9科目、実技が2科目と勉強する範囲も広く、合格率もおよそ20%程度と低めです。
ただし、合格した科目は3年間有効になるという制度があるため、数年かけて合格していくという方法を採ることもできます。
保育士の資格が取得できれば、保育施設で働けるようになることはもちろん、ベビーシッターとして定年を気にせず自分のペースで働くこともできます。
子育ての経験があればその知識が十分に活かせますし、自分の子どもが手を離れたあとも、かわいい子どもたちと関わり続けることができます。
難易度はやや高めですが、持っていれば多様な働き方を選べる資格です。
40代からの資格取得は「目的の明確化」が大切
40代から資格取得を目指す場合、かける時間と費用はできるだけ最小限におさえたいものです。
そのために何より大切なのは、「目的の明確化」です。
自分の興味関心にあった資格を選ぶのはもちろんですが、その資格を得てどこで、どのようなスタイルで、何歳くらいまで働きたいのかをしっかりとイメージしてから、受験勉強を始める必要があります。
不必要な資格取得に時間をかけ過ぎてしまったり、資格を取得すること自体がゴールになってしまったりすることのないよう、自分のライフプランをしっかりと検討した上で、目指す資格を決定してくださいね。(執筆者:青海 光)