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介護サービス費が急に上がった!
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在宅で介護をしていて日々の介護が大変に思えてくると、介護サービスの利用を増やしたくなりますよね。
でも、介護サービスを少し増やしただけで、思った以上に利用料が跳ね上がってしまうことがあるのです。
そんなときは介護保険の支給限度額が関係しているのかもしれません。
介護サービス費が急に増えてしまう理由とその対処法についてご紹介します。
要介護度ごとに設定された支給限度額とは?
利用者さんが、以前よりも介護が必要な状態になったり、介護者さんの介護疲れのせいで、介護生活がつらくなってしまうことがあります。
そんなときは、
と考えますよね。
その希望をケアマネジャーさんに伝えたら、自己負担額がものすごく跳ね上がってしまうという返答が返ってくる場合があります。
増額の理由は介護保険の支給限度額が関係している
介護保険の支給限度額は、介護度別に定められている介護サービスを受けられる範囲設定額のようなものです。
介護保険のサービスを使いすぎないように設定されている金額でもあります。
支給限度額内でサービスを利用する場合は、自己負担額は1割か2割なのですが、支給限度額を超えてしまった分に関しては10割負担になってしまいます。
通常は、その範囲内で収まる程度の介護サービスの利用が適正であると考えられており、その金額は設定されています。
しかし、さまざまな環境的要因や家族の関係性などの要因が異なることもあり、この支給限度額に収まる場合のみとは限りません。
支給限度額を超える場合の対策法は「区分変更申請」
区分変更申請とは、利用者さんに状態の変化があったときに、それに見合った介護認定を再度行ってもらうための手続きです。
介護保険の支給限度額は、それぞれの要介護度ごとに決められています。
区分変更によって、要介護度が上がれば、支給限度額の範囲も増えます。
確かに、介護度が上がると利用料も上がってしまうサービスもあるのですが、支給限度額を超えて10割負担分を払うよりは、負担が減る可能性があります。
一度、区分変更手続きについて検討してみましょう。
参考:江東区の要介護・要支援認定の「区分変更申請」
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区分変更を行っても認定された要介護度が変わらない場合
区分変更手続きをしても、介護度が変わらない場合もあります。
また、要介護5の方に関しては、それ以上の要介護区分がないため、区分変更申請はできません。
そんなときは、介護保険と関係がなく身近に介護サービスが受けられるさまざまな「インフォーマルサービス」の利用も考慮してみましょう。
インフォーマルサービスの中には、介護サービスと同じようなサービスが受けられるものもあります。
また、介護サービスをフォローしてくれるようなものもあります。
介護サービスの負担割合で考える
介護サービスが1割や2割で受けられる場合には、インフォーマルサービスをお願いすると金銭的な負担が増えてしまうということがあります。
しかし、介護サービスが10割負担になってしまう場合には、インフォーマルサービスを使ったほうが、金銭的な負担が抑えられる場合もあります。
介護サービスとインフォーマルサービスをうまく組み合わせて、自分に合った介護サービスの形を見つけ出し、金銭的な負担を軽減してみてくださいね。
インフォーマルサービスとは?
関連記事:在宅介護で支払いが増えて困った時、まず見直す2つのこと。
情報収集は大きなカギ
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介護には、体力的な負担や精神的な負担、金銭的な負担がつきものです。大きなストレスになるその負担をできれば軽くしたいですよね。
自治体などが用意している助成制度や負担軽減制度はいくつかあります。
少しでも負担の少ない介護生活が送れるように、利用できる制度は逃さないようにしましょう。
時間がとれる場合には、お住いの地域の介護施設などが実施している家族介護者教室などに参加してみるのもおすすめです。
同じ悩みを抱えているご家族と話ができたり、介護士の実際の介護方法をみると疲れ切っていた気持ちも少し軽くなるものです。
介護費用についても口コミで知るような、お得な情報や役に立つインフォーマルサービスも見つかることがあります。(執筆者:佐々木 政子)