収入が少なく、国民年金の保険料を納めていては生活が困難な方もいらっしゃると思います。
国民年金の保険料を「未納」にしていませんか。
「未納」ではなく、国民年金の保険料の「免除」というものがありますので、ぜひ活用しましょう。

目次
保険料の免除制度の種類
国民年金の保険料の「免除」は、法律による「法定免除」と、本人からの申請による「申請免除」があります。
法定免除
障害基礎年金の受給者や生活保護(生活扶助)を受けている方は、届出をすることによりその期間の保険料が免除されます。
申請免除
前年の所得(本人だけでなく、配偶者や世帯主の所得も勘案されます)が少ないなどの理由で保険料を納めることが困難な場合、申請により次の4種類の免除があります。
【一部免除】
・ 4分の3免除
・ 半額免除
・ 4分の1免除
国民年金の保険料は国庫負担分もありますので、保険料が「免除」になったとしても老齢基礎年金額について、一部年金額にも反映されます。
前年の所得によらず保険料の免除や納付猶予ができる場合があります
保険料の免除
失業した場合や事業の廃止(廃業)または休止の届出を行っている方、(天災などの被害を受けた場合などにも申請をして承認されると免除を受けられます。
また、DV被害など配偶者からの暴力を受け、夫婦で居住する場所が異なる場合も、本人の前年所得が一定以下であれば、保険料の全額または一部が免除になります。
納付猶予
「学生納付特例制度」や「若年者納付猶予制度」があります。
学生納付特例制度
20歳以上の学生で、本人の前年所得(学生の場合は本人のみ)が一定額以下。
若年者納付猶予制度
50歳未満の方で、本人の前年所得(本人及び配偶者)が一定額以下。
なお、この「納付猶予」は、「免除」と違い将来の年金額には反映されないので、猶予を受けた期間については後から「追納」をする必要があります。
さいごに

「未納」がある場合などは、障害年金や遺族年金についても受け取ることができなくなることがあります。
国民年金の保険料を納めるのが困難な方は「免除」や「猶予」制度を活用しましょう。(執筆者:社会保険労務士 高橋 豊)