この記事の最新更新日:2020年8月13日
目次
クラウドソーシングとは
クラウドソーシング(crowdsourcing)とは、インターネットを活用して不特定多数の人に業務を委託するという新しい形態の仕事です。
群衆(crowd)と業務委託(sourcing)を組み合わせた造語です。
在宅ワークやテレワークに注目が集まる中、クライドソーシング市場は急速に拡大しており、2013年には215億円だった市場規模は2020年には10倍の2,950億円に達すると予測されています。
最近では大小問わずクラウドソーシングを活用する仕事が増えてきました。
時間や場所を選ばないというインターネットの特性をいかし、サラリーマンや主婦でも空いた時間に気軽にできるものから、専門知識や技能を持ったフリーランスの方が行う仕事まで業務内容はさまざまです。
例えばこんな方にとってクラウドソーシングはピッタリです。
・ フルタイムは難しいが好きな時間に働きたい
・ 自分の趣味やスキルを活かした仕事をしたい
・ フリーランスとして活動したい
・ 本業とは別に収入を得たい
それでは具体的な仕事内容にはどんなものがあるのでしょうか?
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参照:厚生労働省 雇用類似の働き方に関する検討会 資料クラウドソーシングの活用の広がりと課題認識「国内クラウドソーシングの市場規模推移と予測(pdf)」
1. アンケート・モニター調査・口コミ投稿
企業などが実施するアンケートに回答する仕事です。
テレビや新聞などで「インターネットのアンケートサイトで100人に調査」といった調査はこのような仕事を利用するケースが多いです。
実際に使った商品や行った場所に関する口コミを投稿する仕事もあります。
筆者は過去に、結婚式場や病院の口コミ投稿の案件を行ったことがあります。
どれもスマホから簡単にできるので、PCを持っていない人や通勤・育児中のすきま時間を使いたい方におすすめです。
ただし、作業が簡単な分、収入が安価です。1件5円~100円が相場となります。
【専門スキル】 ☆
【収入】 ☆
2. ライティング
文章を書いて納品する仕事です。
特別な資格や経験がなくても、文章を書くことが好きな人であれば、未経験からライターになれます。
ライティングの仕事はさまざまですが、
・ 指定されたテーマに沿った記事
・ 口コミ、体験談
・ 資料のリライト
・ 商品の紹介文
・ ネーミング
・ 翻訳、通訳
などが主です。
基本的には、クライアント側から提示されるライティングマニュアルや指示に沿って、執筆を行います。
専門スキルやライティングスキルは案件によって求められるものもありますが、そういった仕事は報酬も高めです。
初心者でも簡単に行える、短文にライティングは数百円程度の報酬になることもあります。
このように、報酬についてはバラつきがありますが、ライティングは依頼が常に多数ある仕事なので、努力次第ではしっかり稼ぐことも可能です。
【専門スキル】 ☆~☆☆☆☆☆
【収入】 ☆~☆☆☆
3. デザイン
デザインを作成する仕事です。
主な仕事は、
・ WEBデザイン
・ ロゴやバナー作成
・ イラスト作成
・ 写真撮影
などがあります。
企業ロゴの作成や、ホームページを作成する仕事が多めです。
資格の有無は問いませんが、趣味のレベルから本格的なデザインまでさまざまなレベルの仕事があるため、ある程度経験があった方が有利にはなります。
ロゴ作成は、好きなものを選ぶ「コンペ式」という形のものが多いため、経験や実績があると強みにできます。
【専門スキル】 ☆~☆☆☆☆☆
【収入】 ☆~☆☆☆
4. 音楽制作
音楽に関係する仕事です。
音楽制作は、専門的なスキルを必要とする仕事が多いため、他の仕事より報酬も高い傾向があります。
主な仕事は、
・ 効果音の作成
・ 店舗用BGM
・ ゲーム・CM音楽の作曲・編曲
・ アイドルの楽曲作成
などです。
スキルはもちろん、音楽制作はセンスも問われる仕事のため、稼げるか稼げないかは人によって大きく異なります。
【専門スキル】 ☆☆☆~☆☆☆☆☆
【収入】 ☆~☆☆☆
5. プログラミング
プログラミングの仕事です。
ゲームやアプリなどを作る仕事が中心で、専門的なスキルが求められます。
主な仕事は、
・ WEB開発
・ JavaやC言語を使用したシステム開発
・ iOSやAndroidアプリ開発
などです。
本業でプログラミングの仕事をしている人や、過去にプログラミングの職業についていたなど、ある程度知識やスキル、経験がある人向きの仕事と言えます。
【専門スキル】 ☆☆☆~☆☆☆☆☆
【収入】 ☆~☆☆☆
初心者の方にもおススメの仕事は?
「クラウドソーシング」と聞くと難しそうなイメージを持つ人も少なくないかと思いますが、比較的手軽に始められる案件もたくさんあります。
初心者の方は、簡単なアンケートや口コミ投稿、文字数の少なめのライティングから始めてみましょう。
1件あたりの単価は低いですが、まずは依頼の受け方や納品の仕方に慣れることが大切です。
大手のクラウドソーシングサイト(ランサーズ・クラウドワークスなど)なら、仕事の数や種類も多く、得意な分野の案件から始められます。
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という方は、登録者数や実績、案件も豊富にある、大手のクラウドソーシングサイトの利用がおすすめです。
クラウドソーシングのメリット・デメリット
クラウドソーシングのメリット
好きな時間に働ける
通勤中や家事・育児の合間など、すきま時間を活用して、短時間で完了できる仕事を中心にすれば、着実に収入を得られます。
3人の育児と家事をしながらクラウドソーシングを利用して仕事をしている筆者も、子どもが寝た夜の時間を使って働いています。
簡単なアンケートや短文のライティングなら、1日15分からでもコツコツと稼ぐことが可能です。
好きな仕事を自由に選べる
不得意な分野の仕事を受ける必要がなく、得意な分野を受注者側で選択できます。
自分の得意分野での能力を最大限活用できる点も、クラウドソーシングならではの特徴です。
筆者も、ライティングのほか、アンケート調査や商品モニターなど、さまざまなジャンルの仕事に関われました。
クラウドソーシングを使えば、自分のスキルや趣味を活かして、好きな仕事や挑戦してみたい仕事にチャレンジできるメリットもあります。
営業活動がいらない
フリーランス(個人事業主)で仕事をできるほど固定のクライアントやコネがないという方でも、インターネットにより全国から仕事を探すことができます。
また外国語ができれば海外まで業務範囲を拡大することが可能です。
好きな仕事以外の手間は極力少なくできます。
ただ、収入を大きく伸ばしていく過程ではもちろん営業センスはひつようになってくるでしょう。
会議や打ち合わせで時間がとられない
クラウドソーシングではクライアント(発注者)との打合せはメールのやりとりが基本です。
チャットやスカイプを利用する場合もありますが、基本的にはネットでのやり取りが中心です。
直接クライアントのところへ出向く必要がないので、通勤時間がかからないことはもちろん、打ち合わせの時間も短縮できるメリットがあります。
仕事の時間を少なくなる分、プラベートの時間も確保しやすいです。
こういった時間に融通が利くクラウドソーシングのメリットにより、家庭保育と仕事を両立ができています。
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クラウドソーシングのデメリット
単価が低い
これは受注者側から見ると大きなデメリットです。
慣れるまでは1つの仕事に時間をかけすぎてしまい、時給に換算すると最低賃金を割り込んでしまうケースもあります。
早くクラウドソーシングの仕組み慣れて、、得意分野の仕事を受注し、効率的に進めていくことが重要です。
納品物の品質が向上し、自分自身にスキルが上がることで、当初の募集金額は低くても、継続して受注する中で単価UPに応じてもらえることもあります。
発注者の素性がわからない
クライアントの中には質の悪いクライアントが一部いるのは事実です。
例えば、「納品した作品に問題がないのに難癖をつける」、「報酬の支払が遅い」、「契約にない作業を要求してくる」などです。
なかには、はじめから継続する気がないのに、安価なテストライティングでの募集を繰り返し出している悪質なクライアントもいます。
クラウドソーシング側でも、悪質なクライアントがいないか監視をしていますが、絶対に出会わないとは言い切れません。
受注をするときは、クライアントの発注実績や本人確認の状況を見て判断することが大切です。
コミュニケーションが不足しがち
会議や打ち合わせで時間がとられない点はメリットでもあり、逆にデメリットになる場合もあります。
意思疎通が不十分のまま作業が進み、無用な修正作業が発生することがあります。
修正が発生すれば、その分作業時間がかかってしまうため、仕事の効率が悪くなってしまうことも。
ネット上での取引だからこそ、内容の確認は密に行いながら進めてゆきましょう。
空き時間をお金に換える
クラウドソーシングは空き時間を活用し、自分の強みを活かしながら、お金をもらうことができる仕事です。
サービスの浸透や副業解禁の流れを受け、利用者の裾野は着実に広がっています。
誰でも手軽に始められるものから、専門性を活かした仕事まで幅広く選べます。
通常クラウドソーシングサービスは登録無料で、費用がかかるようなことはありません。
大手のクラウドソーシングサイト(ランサーズ・クラウドワークスなど)なら、仕事の数や種類も多く、得意な分野の案件から始められます。
興味ある方は、まずは一歩踏み出してチャレンジしてみましょう。(執筆者:相川 隆 監修 三木 千奈)