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貯金を「自分事」にするために
前回の記事で、お金をためるためには、「いつかお金がたまるだろう」という「他人事」ではなく、「いつまでに、〇円ためなければならない」という「自分事」にすることが大切と、書きました。
その第1歩は、生涯年収が有限だということをイメージすること。
イメージした後は、1か月の家計費と同じように「配分」を考えてみます。
生涯年収のイメージ図
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出典:楢戸ひかる「お金のリビング」テキストより抜粋
「我が家のお金の計画表」を使い、人生イベントを書き出してみる
配分を考えるために必要なことは、「我が家のお金の計画表」を作って、
を書き出してみることです。
何が起こるがわからなければ、お金をどう配分すれば良いか見当がつきませんから。
この作業は、家庭運営の早い段階でやるほど効果があります。
極端な話、年表を実際に書かなくても、「わが家の未来について考えてみるという時間を作る」だけで、最初は十分に意味があります。
キチっと書くことなど意識せずに、心の中にある私(わが家)の未来の風景を、まずは紙にアウトプットしてみてください。
「我が家のお金の計画表」を書く目的は、次の2つです。
2. 俯瞰(ふかん)の視点で、未来に起こるイベントの流れをイメージすること
「我が家のお金の計画表」を書く
では、実際に用紙を使って書いてみましょう。(白紙の用紙は後程お渡しします)
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手順1:「4月1日現在」の家族の名前と年齢を記入します。
手順2:子供の学年の推移をいれ、「入学」というライフイベントを書き込みます。
上記の例は、
です。
「中学受験に興味があるな」という漠然とした気分も、こうして紙に書き出して金額をチェックしてみると、現実味を帯びてきます。
中学受験をしない場合でも、「小学校5年くらいから、塾に行かせた方がいいかしら?」と思う気持ちを書き出してみると、やっぱり「教育費をためる必要性」が、ぐっと現実味を帯びてくるはずです。
教育費の準備は、10歳(子供が低学年)までが勝負
これは、多くのお金のプロが口をそろえていうことです。
子供が乳幼児の場合、このフレーズを聞いても、正直「ピン」と来ないでしょう。
けれども、「我が家のお金の計画表」を早い段階で書いてみると、数年後に、どれくらいのお金が「かかり始めるか」が視覚的に確認でき、本気度が違ってきます。
何度も書きますが、お金をためるためには、「いつかお金がたまるだろう」という「他人事」では、絶対に無理なんです。
「いつまでに、〇円ためなければならない」という「自分事」として焦点を定めないと、貯蓄スイッチは入りません。
そのためには、
と、具体的にイメージしてみることが近道です。
未来を紙に書くのは怖いものだ!
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これだけ「未来のわが家年表」の必要性を力説しておいてナンですが(笑)、人生で初めて「我が家のお金の計画表」を書く時って、めちゃくちゃ怖いんです。
私もそうでしたし、誰もがそうです。
少し話が飛びますが、長男が高校2年生の秋、初めて「志望校を紙に書いてみる」という瞬間がありました。
その時に、担任の先生がおっしゃった言葉を、皆さんへのエールとして書いておきます。
でも、今日、思っていることは、来年になったら、全く違っているかもしれません。
最終確定なんてしなくても、大丈夫です。
むしろ、今は、確定なんてできないことの方が多いでしょう。
とにかく思いつくままに、思ったことを書いてみてください。」
主婦は家庭の経営者
私は、ここ10年、毎年1回、「我が家のお金の計画表」を見直しして、上書きしてきました。
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そして、こう感じるのです。
「【我が家のお金の計画表】は、人生の羅針盤になる」と。
結婚して最初の10年(現在、結婚20年目です)、私は家計管理のやり方がわかりませんでした。
その10年の、暗い海を彷徨っている感じったら…
それは、羅針盤を得て航海している今とは雲泥の差の気持ちです。
こんな体験をへて、
と、思うようになったのです。
最後に「我が家のお金の計画表」ブランク用紙もつけておきますね。
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良かったら、これを使って、できるだけ早い段階で、ご自身の未来について考えてみてください。
きっと、「あの時、考えて始めてよかった」という「現実の未来」がやってきます。(執筆者:楢戸 ひかる)