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外貨建て一時払い終身保険
退職金が入金されると銀行は、
だと、こぞってこの商品を薦めてきます。
商品性に問題がなければ良いのですが、元銀行員の立場から言うと絶対にこの商品はオススメしません。
その理由を中心に説明していきます。
外貨建て一時払い終身保険とは
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外貨建て一時払い終身保険とは、主に米ドル、豪ドルで運用されている保険商品です。
一時払いなので、保険料は、一括で入金します。
一般的に購入時の手数料は0%のものが多く、解約手数料は10年たてばかからないものが主流のタイプです。
ターゲット機能で目標を設定
保険と聞くと、相続対策のためと感じると思いますが、「ターゲット機能」というものが付いているものが多く、自身で設定した目標値に達成すると自動的に解約になります。
例えば10%殖えれば解約と設定すると、原資が円ベースで110%に到達すると、自動的に保険は解約され、解約金が普通預金に入金されるといった機能です。
この機能が付いていると、保険を保有している間は、死亡に備えられ、目標値に達成したらお金が殖えて戻ってくるので、
というのが売り文句です。
オススメしない理由1:手数料が高すぎる
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外貨建て一時払い終身保険を販売すると、8%~10%の手数料が銀行に入ります。
保険会社は、代理店をランク付けしており、最高ランクに位置づけられる銀行は、受け取る手数料が大きいのです。
銀行の販売員は、手数料で評価されるので、お客さんに
「外貨ベースで元本が割れることがないから安心です」
などと甘い言葉を巧みに使って外貨建て一時払い終身保険を薦めてきます。
保険会社から銀行に手数料が入るだけならいいですが、購入者の負担する手数料も非常に高いです。
購入時は0%のものが多いですが、解約時は最大10%手数料がかかります。
また運用期間中のランニングコストは、年間で3~4%かかります。
10年保有すれば解約手数料が0%になるものが多いですが、その期間払うランニングコストは30%~40%にもなってしまいます。
オススメしない理由2:保険本来のレバレッジの機能がない
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本来、保険とは被保険者が亡くなると、保険料対比多額の死亡保険金が出るものを言います。
例えば、30歳の男性で月1,000円くらい保険料を支払えば、亡くなった時に500万円の死亡保険金が出てくるような商品のことです。
これを「レバレッジ効果」と言います。
しかし、外貨建て一時払い終身保険のターゲット型の商品は、ほとんど死亡保険金にレバレッジが効きません。
大抵の商品は、一時払いで最初に入金した保険料か保険期間中の解約返戻金のうち金額が大きいほうが死亡保険金になります。
ランニングコストが、10年間で30%~40%かかる商品ですから大きく殖えることは、ほとんどないです。
よって死亡保険金は、
になってしまいます。
これでは保険にする意味はほとんどありません。
中には「レバレッジ機能」がしっかりある外貨建て一時払い終身保険もあります。
しかし、医的診査なしでターゲット機能の付いている銀行で販売している商品のほとんどは「レバレッジ機能」のないタイプです。
検討するときは、よく注意してください。(執筆者:渡辺 たけし)