貯金を成功させる上で最も大切な事は、自分の性格に合ったルールを作る事です。
中でもついつい自分に甘くなってしまう方にオススメの貯金法が「先取り」と「穴埋め」メソッド。
ほんの少しの意識の変化で貯金のペースは大きく変わります。
今回は先取り貯蓄に使いたい公的制度と、セットで意識したい穴埋め貯蓄の考え方をご紹介します。
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目次
無理のない「先取り」貯金額を設定
先取り貯金とは、給与が入ったらすぐに決まった額を貯金に回して残った金額で生活する事を言います。
貯金ペースを自分で管理できるため、貯金をしている方の多くは実践している方法ではないでしょうか。
しかし先取り貯金をしていても予定通り目標額がたまらないケースも多く見られます。
その理由は、生活費用に残したお金を使い切ってしまい、貯蓄用に回していたお金をつい崩してしまう事に始まります。
少しだけのつもりでもいったん貯金に手を出すと際限なく使ってしまう様になり、自分がいくら貯金を崩したのかも把握できなくなっていきます。
そのため先取り貯金をする時には適切な貯金額を決める事が最も重要なポイントと言えます。
無理に貯金額を増やすよりも、貯金に回したお金には絶対に手をつけないというルールを守る事が大切です。
そこで、自分に適した貯金額を知るために、まずは1か月間家計簿をつけてみる事をオススメします。
自分がいくら生活費に使っているのかを正確に把握し、急な出費も踏まえて、いくらなら確実に貯金できるのかを計算してみてください。
会社の財形貯蓄制度で先取り
月々の先取り貯金額が決まったら、次はその貯金をどのように管理するかを考えます。
まず真っ先に使いたいのが勤務先の財形貯蓄制度です。
給与天引きで自動的に貯蓄ができるため、お金を自分で預金口座に移す手間がありません。
多くの会社では財形貯蓄制度として財形一般貯蓄や財形住宅貯蓄などいくつかのタイプが用意されています。
財形一般貯蓄は後で解説する自動積立定期預金と同じく、銀行の定期預金の形式をとる場合がほとんどです。
財形住宅貯蓄はマイホーム購入資金としての積立てになり、利子が非課税になる他ローンを組む上でも有利になるので、マイホームを検討されている場合はぜひ利用したい制度です。
これから貯蓄を始めたいという方はぜひ会社の財形貯蓄制度を一度確認してみてください。
既に財形貯蓄制度を利用して貯蓄額がある程度たまっているという方は、さらに利率の高いネット銀行や投資信託への切り替えを検討する事をオススメします。
銀行の自動積立定期預金で先取り
次に先取り貯蓄で使えるメソッドは銀行の自動積立定期預金制度です。
毎月決まった日に決まった額を普通口座から定期預金口座に振替えてくれるシステムで、普通口座に残るお金が限られるので無駄遣い防止にとても有効です。
普段給与振込先に使っている口座の銀行で所定の申込みをすれば、すぐにでも始めることができます。
インターネットバンキングを利用している場合は、パソコンやスマホで簡単に申し込みが完了するケースもあるのでぜひ調べてみてください。
会社の財形貯蓄制度を使えない方や、目的別に複数の貯金をしていて貯蓄口座を分散させたい方にオススメです。
預金を崩してしまったら必ず「穴埋め」
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ここまで紹介してきた制度では、基本的にはいつでも預金口座からお金を引き出すことができます。
困った時のための換金性は非常に重要なポイントですが、一方で有事の時以外でもついつい貯金を崩してしまう原因にもなります。
ほんの少し崩しただけのつもりでも、それが重なっていけば貯金額は大幅に目減りしてしまうかもしれません。
そこで、先取り貯蓄と併せてルールに加えたいのが「穴埋め」思考です。
これはとてもシンプルな考え方で、もし何かの拍子に貯金を崩してしまっても必ず他で補填して、貯金ペースは絶対に変えないというものです。
貯金を崩したときには必ずノートやスマホに「△△預金口座から◯◯円を引き出した」とメモを残し、それと同額をどこかから穴埋めするまでそのメモを消さないというルールを作ります。
数千円の少額であれば翌月に節約を頑張ることで取り返せますし、数万円の単位の出費であった場合には単発のアルバイトやボーナスで補填します。
そこまでできないと感じる場合や、貯金を崩す回数が多すぎる時は貯金設定額が合っていないのかもしれません。
もう一度貯金目的と目標額を明確にして、適切な先取り貯蓄額を考えてみてください。
定年まで引き出せない確定拠出年金制度で先取り
最後に、先取り貯蓄法の中でもぜひ利用したい制度として確定拠出年金をご紹介します。
確定拠出年金には個人型(iDeCo)と企業型がありますが、どちらも毎月決まった額を拠出して、たまった額と利益を年金として老後に受け取る事ができるというものです。
先にご紹介した制度との違いで特に大きいのは、
(2) 掛け金と運用益は全額「非課税」になる事
(3) 拠出したお金は原則として60歳まで引き出す事ができない
という事の3点です。
この3点には以下の様な利点があります。
・ この制度で拠出した額は所得税控除の対象になるため、同じ額をただ預金するよりも所得税・住民税を節税する事ができます。
・ 定年まで掛け金を崩すことができないので、ついつい使ってしまうリスクがありません。
以上のことから、毎月決まった額を貯金に回したい場合には使って損はない制度であると言えます。
ただし、貯金の目的が老後資金である事に限られるため、定年より前に使うための貯金を考えている場合は先に述べたような別の制度の利用をオススメします。
自分に合ったルール決めが大切
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未来の自分の幸せは今の自分が作るもの。
貯金は大切な未来への投資です。
自分に合ったルール決めと適切な貯金額設定さえクリアしてしまえば、毎月の貯金も楽しくうれしいものになっていきます。
今後もさまざまな貯蓄法を紹介していきますので、自分に合った貯金ルール探しの参考にしてみてください。(執筆者:島村 妃奈)