証券取引の歴史は古く、世界で最初の株式会社は1602年にオランダで発祥した東インド会社です。
当時はインドや東南アジアの特産品を欧州へ運ぶために多額の費用が掛かるため、株式を発行して多くの人から資金を集めたのが、株式会社の最初でした。
日本での証券取引の歴史は1873年(明治6年)に営業を開始した第一国立銀行が、最初の株式会社です。
5年後の1878年(明治11年)には、日本でもフランスやイギリスを参考に、東京と大阪に証券取引所が開設されました。
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一部の資産家に限られていた株式投資が現在のように個人の初心者でも、少額で手数料が安くネット経由で気軽に注文ができるようになったのは、1998年(平成10年)が最初です。
今ではミニ株など1万円以下の少額で株式投資ができるシステムもあり、多額の資金が無く初心者でも始めやすいなど、かなり株式投資のハードルが下がってきました。
古い歴史のある証券取引ですが、先人たちが長い株式投資を経験して生まれた「格言」というものが無数に存在します。
今回は株式投資初心者も、少し経験のある中級者でも参考にしていただきたい株式投資の「格言」を紹介します。
目次
株式投資の「格言」とは
株式投資には古くから株式市場の特性や人間の心理状態をうまく表現した「格言」が存在します。
「格言」は必ずしもあたるものとは限りませんが、多くの先人たちが株式投資で迷った時や困った時、大損をしてしまった時の反省や後悔から生まれたものです。
株式投資の心構えだけではなく、人生の教訓にもなりえるもので参考になるものがたくさんあります。
実践したい株式投資の「格言」5選
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1. いのち金には手を付けるな
株式投資にはお金のゆとりが必要であり、当てが外れて損失が出た場合に生活に困るような資金を投入してはいけない。
「特に投機的な売買は控えよ」という教訓で、一番重要で基本となるべく教訓です。
2. 同じ篭に卵は盛るな
大切なものを同じ場所に保管すると一度に全部壊れてしまう可能性がある。
一銘柄に集中投資すると儲けも大きいが、損失も大きくなるため、分散投資を説いた「格言」です。
日常生活でも銀行通帳・印鑑・キャッシュカードなどは別々に保管するのが鉄則ですが、通じるところがありますね。
3. 人の商い、うらやむべからず
隣の芝は青いという言葉があるように、株式投資ではよく大儲けした人が話題になったりしますが、大損した人の話はあまり聞きません。
パチンコなどでもありがちですが、負けた時の話はせず、勝ったときの話しかしない人もいます。
人のことは気にせず、自分のペースで取引をすることが重要です。
4. 遠くのものは避けよ
この「格言」の「遠くのもの」が意味するものとは、自分が知らない事や得意でないものには手を出すなという意味です。
これは株式投資にとどまらず、不動産投資や先物商品取引など全般に言えることですね。
5. 売り買いは腹八分
「最大の利益を得ようとして最安値で買い、最高値で売ろうとするべきではない」という戒めと、「投資に全財産を投入するべからず」という2つの意味があります。
最安値や最高値は売買時点で判断できるわけではなく、結局売買のタイミングを逸してしまうため、最高の利益を得ようと欲張るのではなく、八分の利益を目指すほうが賢明だという「格言」です。(執筆者:後藤 誠道)