「非常に強い勢力」としては25年ぶりに列島に上陸した台風21号。
私の住む関西某所でも数々の爪痕を残しています。
屋根が飛んでいったり、外壁がはがれたり。
窓ガラスが割れたり、庭木が根こそぎ倒れたり。
いやもうほんとに、自然って怖いんだとあらためて感じさせられました。
他の地域ではもっともっと悲惨な状況だったのをニュースでは知っていたのに、実際に自分の身にふりかからなければ分からない私は浅はかです。反省。
そして台風一過。さてこの処理をどうするか、そのお金はどこから、という話です。
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目次
誰にも賠償請求できない!
「ドコドコの家から飛んできたものでウチの建物が壊れた」だとか「トナリの庭木が倒れてウチの窓ガラスが割れた」だとか、そういう怒りの気持ち、わからないでもありません。
だけど実は、こういう自然災害では誰にも損害賠償請求できません。
飛んできたものの持ち主、倒れたものの持ち主には責任を問えないんですね。
それは、自然災害だからです。
自然の前には何人も無力だからでしょう。(もちろん、よっぽど危険な状態で放置されていたものについては管理責任を問える場合もあると思います。)
ですから大原則として、この台風で壊れたものは自費で修繕しなければなりません。
屋根も外壁も、窓ガラスも自動車もです。これはなかなかの出費になりそうですね。
公的補償制度として政府から50~300万円の支援金が出るというのもあるのですが、これは住宅が全壊や半壊になったり居住不能になったりした場合のもの。
そんな大ダメージだと全然足りない金額ですし、今回のような台風だとそこまでの被害はない人がほとんどですよね。(勿論ある人もいるかと思いますが)
ならばどうすれば良いか。
火災保険は風災をカバーする

答えはタイトルの通りです。
火災保険をチェックしましょう。
え、火事にはなってないって? 大丈夫です。解説しましょう。
事業者などではない人が戸建住宅のために加入する火災保険には2種類があります。
住宅総合保険:上記に加えて盗難や水災なども補償されます。
どうですか? どちらの場合も台風による被害、すなわち風災の補償が含まれていますね。
ですから、火災保険で台風の被害は補償されるのです。
気を付けなければならないのは、同じ自然災害でも洪水などの水災です。
こちらは「住宅火災保険」では補償されませんから、水災のリスクが高い地域の方やそうでなくても気になる方は、より補償の範囲が広い「住宅総合保険」がおすすめです。
なお各損害保険会社が販売している実際の商品名は上記2種類の通りであるとは限りません。
約款やしおりを見て、どちらの保険なのか判断しましょう。
なお火災保険はあくまでも建物の保険ですから、自動車は別になります。
こちらは自動車保険の車両保険特約での対応になります。
今すぐ火災保険をチェックしましょう!
ということで台風の被害に遭った方は、いますぐ火災保険の保険証券をチェックです。
保険期間は過ぎていませんか?
保険金額はいくらですか?
免責金額は?
補償の対象には、建物自体だけでなく、門や塀、車庫や物置は含まれていますか?
え、火災保険には入っていないって? 本当ですか?
普通、住宅ローンに加入するときには火災保険の加入が必須になっています。
あのローン契約のバタバタに紛れて忘れてしまっているだけじゃないですか?
え、保険料を支払っていないって?
いやいや火災保険はそういう契約の仕方をする方が多いので、支払い方法は月払いや年払いにせず、数十年分の補償を契約時に一括払いすることが多いのですよ!
今一度確認してください。火災保険、いつ使うの? 今でしょ!
地震は火災保険では補償されない
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ついでに。
水災が補償される火災保険とされない保険があるとはすでに書きましたが、同じ自然災害でも地震は扱いが別になります。
どういうことかというと、地震には「地震保険」というものがあるので、他の保険ではその被害を補償してもらえないのです。
ややこしいことに、地震が原因で発生した火災保険には、火災保険は適用できず地震保険しか効きません。
南海トラフ巨大地震の可能性が叫ばれる今日ですから、こんなことをきっかけに、火災保険と併せて地震保険への加入も検討してみられてはいかがでしょうか?(執筆者:徳田 仁美)