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いつかは皆に訪れる死
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今年、99歳で亡くなった祖母。
芯が強く、華やかな人でした。
入院をした時に「覚悟」はしていたものの、逝ってしまってからの諸々の手続きや出費には、正直、戸惑うこともたくさんありました。
葬儀に主体的に関わることは数少ない経験です。
少しでも悔いのない送り出しができるよう、筆者の経験を共有させていただきます。
基本プランを選択
亡くなると、万が一蘇生するかもしれないため、法律で「死後24時間以内に火葬してはならない」と決まっています。
そのため病院から葬儀社に電話をして一度自宅へ遺体を引き取り、安置します。
僧侶を呼んで枕経をあげてもらったり、親族および葬儀社の方と相談して葬儀の基本プランを決めたりします。
葬儀社の方によると、最近は「お葬式は小さくていい」という方が年々増えているそうです。
特に90歳以上の高齢で亡くなる方は、弔問に訪れるはずの友人の方々がすでに亡くなっている場合も多く、友人知人を呼ばず家族親族だけでおこなう「家族葬」が増えているのだとか。
我が家の場合は「家族葬」をベースに、故人のごく身近な友人にも声をかけるという形にしました。
関連記事:家族や親族だけで行う「家族葬」 メリットと盲点のデメリットから、葬儀業界歴12年の筆者が思う「葬儀」のあり方。
葬儀社への費用
基本諸項目パック:21万6,000円
通夜粗供養:648円 × 48個=3万1,104円
葬儀粗供養:670円 × 40個=2万6,800円
僧侶用貸切タクシー費用(1.5H) 9,720円
小計:136万3,624円
上記の費用には、
・ 病院からの搬送
・ 自宅への遺体安置
・ 自宅祭壇
・ ドライアイス
・ 納棺
・ 通夜および告別式の司会
・ 参列者への湯茶サービス
・ 火葬場手配
などが含まれています。
祭壇はたくさんのお花を使った立派なもので、華やかだった祖母にふさわしかったと思います。
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追加でかかる費用
プランを決定してもまだ安心できません。
葬儀社に払う以外の別途費用が、ボディーブローのように加算されていきます。
火葬料金
これは葬儀社ではなく火葬場に支払いますが、式の流れの中で葬儀社が一旦立替払いをしておいてくれます。
価格は各自治体によって異なるようです。
この領収証は役所での手続きにも必要なので、大切に保管してください。
費用:8,000円
僧侶費用(宗派によって違うと思います。あくまで筆者の場合)
枕経・通夜経・告別式の導師1名・副導師2名・粗飯料3名分・火葬場念仏・骨上経・初七日~満中陰までの法要費用がかかりました。
単価は1~15万円。これはお寺の方から費用表を渡され、それを封筒に入れて支払います。
費用:51万円
お供え物
祭壇とは別にお花や盛籠を供えました。
費用:9万7,200円
通夜ぶるまい
お通夜が終わった後に、参列者(今回は親族のみ)に食事を出します。お寿司をとりました。
費用:5940円 × 5=2万9,700
精進落とし
故人への供養と、参列していただいたお礼とお清めの意味を込めて食事を出します。
費用:1人4,320円 × 27名=11万6,640円
茶菓子や飲み物
僧侶や親族の控室に置きます。
費用:1万8,033円
貸衣装費と着付け代
親戚の提案で急遽着物の喪服を着ることになり、貸衣裳費と着付け代がかかりました。
貸衣装費:1万6,200円 × 4着=6万4,800円
着付け代:2,000円 × 4名=8,000円
追加費用小計:85万2,373円
葬儀関連費用合計:221万5,997円
この費用が高いか安いかは、読む方の価値観によって違うと思うので議論するべきものではありませんが、筆者個人の感想としては
です。
正直なところ「もっと少なく抑えられるのでは?」という思いと「葬儀代をケチるなんてバチがあたる」という思いのハザマで揺れました。
ちなみに参列者からのお香典は辞退しました。
親族からはいただきましたが「お返し」をしないといけませんし、その後の法要費用もありますので、葬儀費が「お香典で賄える」ということはありませんでした。
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告別式以降も若干の出費
式が終わってからもお世話になった方へのあいさつ周りがあります。
最後までみとってくれた施設や、祖母が大切にしていた方々に粗供養や菓子折りを持ってお礼にいきました。
葬儀社に頼まず全部自分で実施した場合
葬儀の話を知人としていたら、葬儀社に依頼せず「全部自分たちでおこなう」というツワモノもいることが判明しました。
全部とは、病院からの搬送、遺体の保管、納棺、火葬場への搬送、火葬手続きなどを含めての本当に「全部」です。
かかるのは、24時間分のドライアイス代、棺桶代、火葬費用です。
ネットでザっと検索してみると、
・ ドライアイスは10kgで7,000円くらい
・ 棺桶は税込み1万6,200円~211万6,400円
火葬場の使用料は各自治体によって違う
例えば札幌市は市民なら無料で使用できます。
調べた中での最高値は、東京都の瑞江葬儀所は7歳以上1体あたり6万800円です。
悔いなく死ぬために、悔いなく生きる
葬儀内容を決める際、
「死んだ人間より生きている人間にお金を使ったほうがいい」(=葬儀代を安く済ませたい)
と、親族の間でも異なる意見がありました。
祖母の場合、エンディングノートなどはありませんでしたが、自身の希望を伝えた上で費用も多少残しておいてくれたので、家族はスムーズに送りだすことができました。
今回のことで「自分の意思を残すとことは、自分の希望を叶えると同時に家族に対する思いやりでもある」のだと感じました。
希望に添いたいと思っても、死んだあとには訊けませんものね。
言っておいてくれなかったら、もっといろいろ悩んだと思います。
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葬儀を通じて「悔いなく死ぬために、悔いなく生きなければ」との思いも強くなりました。(執筆者:那波 りよ)