2017年度の国民年金の納付率は66.3%。
年々改善が続いているものの、依然として高いとは言えない水準です。
しかも、保険料の全額免除者や納付猶予者を含めた実質納付率は40%強なんですって。
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いやもちろん、これはあくまでの国民年金の第1号被保険者の数字で、勤務先が代行というか、強制納付してくれる第2号被保険者やその被扶養者である第3号被保険者を含めた未納率はわずか数%なんです。
しかし、納付するかどうかを選べる(本当は義務だから特則や差し押さえがあって選べないんだけど、数字を見る限り選べているように感じます)人たちの支持が低いという実情。
これは、第1号の方に限らない国民全体のこの年金制度への信頼感の低さを浮き彫りにしているのではないでしょうか。
参考記事:17年度の国民年金納付率、実質は40% 低年金課題に(日本経済新聞)
目次
なぜ賦課方式なのかという不満
わが国の年金制度への不満の声としてよく耳にするのが、積立方式ではなく賦課方式が採用されているということです。
厚生労働省もなかなかわかりやすいマンガまでこしらえて解説するくらいですから、やはりここに国民が不満を持っているという自覚があるのでしょうね。
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2つの方式を簡単に解説しましょう。
・賦課方式:自分が納めた保険料は、現在の年金受給者への支払いに充てられる。
わが国は少子高齢化がすすみ、高齢者世代1人を支える現役世代の数は年々減少していきます。
だから、賦課方式だと
「将来自分たちは、今の高齢者ほど年金を受け取れないから損!」
というのは素直な考え方ですよね。
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なんとなく腑に落ちない賦課方式
いや、実は厚生労働省はこの点についても、先ほどのマンガの続きで一生懸命否定しています。
「現在の高齢世代が、現役時代には自身の老親を扶養していた。」
などなど…。
どちらも一理ある指摘です。さすが政府。
しかし百歩譲って、賦課方式が積立方式より優れていて、わが国の実情に合った制度だとしても、感情が事実に直結するとは限らないのですよ。
何となく損している気がするのです。
それが、伸び切らない納付率に表れているのではないでしょうか。
だって、お金は好きなものに使いたいもん。
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私、積立方式がいいです。
年金の全部が全部、積立方式にならなくても「自分が支払った年金保険料が、100%賦課方式の年金制度へ充てられる」なんて、つまり「現在の高齢者に流れていく」なんて、耐えられません。
わが国でも積立方式の年金保険は利用できる
そんな私に共感してくださる方、少なくないのではないでしょうか。
ならば迷うことはありません。
始めましょう、積立方式の年金制度。
古くからは個人年金保険というものがありました。
現在も「年間8万円以上の保険料支払いで上限4万円が所得控除される」という制度で継続していますね。
賦課方式の年金制度は、保険料がそのまま所得控除ですから、個人年金保険の節税効果はその半分ということになります。
しかしこれだって、立派な積立方式の年金なのですよ。
最近ではiDeCoというのが現れました。
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こちらは人によって上限金額に差があるものの、積立金額が全額所得控除です。
賦課方式の年金制度と遜色ありませんね。
しかも、先ほどの個人年金保険と異なり、どこに保険料を支払って運用してもらうかの選択肢が幅広い。
定期預金もよし、国内株式や債券もよし、海外へだって投資できるのですから、
という感覚があります。
やっぱり賦課方式の年金制度には敵わない
賦課方式の年金制度は強制加入で保険料も所得に応じて決定されますから、こちらを減らすことができません。
ですが、上記の積立方式の年金に支払う保険料額を増やしていくことで、賦課方式の年金制度の比重を下げることができます。
しかし、ここまで考えてみて、私が提唱した年金制度への抵抗も効果は少ないなと感じるのです。
というのも、わが国の賦課方式の年金制度は、いわゆる「トンチン年金」、つまり
ものです。
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一方で、現在保険会社が販売しているトンチン年金はごくわずか。
老後の生計の足しには、ほんの少ししかならなさそうです。
老後の生計の中心は、何と言ってもこの賦課方式の年金制度になるのでしょう。
ということは冒頭の66.3%以外の方々、今の生活が苦しくても、やっぱり
しっかり国民年金保険料を納付したほうがお得なんだと思います。(執筆者:徳田 仁美)