証券会社で口座開設をすれば、さまざまな株式を購入することができます。
主に取引されているのは株式とETF(上場投資信託)でしょう。
でも、それ以外のちょっと変わった証券も取引できるのです。

東京証券取引所にある、株式みたいだけど通常の株式とは違う3つを紹介します。
目次
出資証券 日本銀行

日本の中央銀行である「日本銀行」の資本金は55%が政府から、45%が民間からの出資となっています。
意外に感じるかもしれませんが、「日本銀行」も東京証券取引所のJASDAQ(ジャスダック)に上場していて、取引可能となっています。
ただし、上場しているのは株式ではなく出資証券です。
この出資証券は、出資者に対する配当を受け取る権利はあります。
ですが、日本銀行は株主総会のようなものはありませんので、議決権を行使する権利がありません。
日本銀行の出資証券は日々の取引量が少なく、投資金額も大きいので(数百万円が必要)、個人投資家は手を出しにくいかもしれません。
優先出資証券 信金中央金庫

「優先出資証券」とは、優先出資法に基づいて協同組織金融機関が発行する有価証券です。
具体的には農林中央金庫、商工組合中央金庫、信用金庫、信用金庫連合会などが優先出資の発行が認められています。
優先出資証券には、議決権はありませんが、その他は基本的に株式と同じ権利があります。
現在、東京証券取引所に信金中央金庫 の1銘柄だけが上場していて取引できます。
通常の株式は基本的に100株単位で取引する必要がありますが、この優先出資証券は1口単位で取引することが可能となっています。
また、信金中央金庫 は、株主優待に相当する優待制度もあるので、個人投資家が保有しやすい銘柄の一つです。
優先株式 伊藤園第1種優先株式


優先株式とは、配当などが、普通株式に比べて優先的に受け取ることができる株式です。
その一方、優先株式の保有者に議決権はありません。
東京証券取引所には、伊藤園第1種優先株式 が上場しています。
証券コードがで、5桁であるのも特徴の一つです。
この伊藤園の優先株式は、配当が普通株式より優遇されており、「普通配当額 × 125%」で計算された額が配当金として受け取れます。
そして、普通株式への配当がない場合でも、優先株式に対して1株当たり15円が優先配当として支払われることになっています。
また、優先株式にも株主優待があり、伊藤園製品詰合せが毎年受け取れます。(執筆者:潮見 孝幸)