サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)などの比較的元気な人が入所する施設では、入所者同士の間で恋愛感情が生まれ、恋人同士になることがあります。
恋愛感情はすべての人が持つ感情であり、他人が介入できることではありません。
しかし、当事者の家族としては複雑な思いがすることでしょう。
そこで、今回は「老人ホーム恋愛」について解説します。
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目次
恋愛感情は自然な感情で年齢とは関係ない
高齢者になると、恋愛感情は薄れてきたり、なくなってくると思っている人もいるでしょう。
しかし、恋愛感情とは、人が持つ自然な感情のひとつであり、年を重ねたからと言って衰えてくるものでもありません。
特に、高齢になると長年連れ添った配偶者と死別しているケースや、施設入所したことで家族と会う機会が減り孤独感を感じている人もいます。
そんな中で趣味や話が合うなどの理由から親しくなり、いつしか恋愛感情が生まれてしまうことも。
それは自然な感情であり、第三者が介入することは本来できないことなのです。
もし家族が「老人ホーム恋愛」をしたらどうする?
それでも、やはり家族としては複雑な思いがするものです。
それでは、もし家族が「老人ホーム恋愛」をしているとしたら、私たちはどうすればよいのでしょうか。
恋愛感情が誰もが持つ自然な感情である以上、私たちには何もすることはできません。
それは施設職員も同じで、いくら家族から頼まれたとしても恋愛関係に介入することは難しいのです。
実は、恋愛感情には、生活の質を向上させる効果があります。
私たちも恋愛しているときは、気持ちが明るくなったり、頑張ろうという意欲が湧いてきたり、身なりを整えるようになります。
それは高齢者でも一緒で、施設での生活になじむきっかけになったり、リハビリを頑張る目標となったりします。
認知症状が改善するといった例もみられています。
特に大きな問題がなければ、そっと経過を見守ることが大切です。
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相手の家族とも連絡を取り、気になることは施設職員に相談しよう
「老人ホーム恋愛」で一番怖いのは、恋愛トラブルです。
一方的な想いから部屋に侵入したり、逸脱行為がみられたりといった場合には、本人の意欲などが低下する原因にもなり、最悪の場合、施設退所せざるを得ないこともあるでしょう。
そうならないためには、気になることは些細なことでも施設の職員に連絡したり相談するようにしてください。
普段から相談しておくことで、目をかけてもらいやすくなります。
また、二人の恋愛が公認の中になっているようであれば、可能であれば相手の家族とも連絡を取りましょう。
いざというときにはお互いが協力できる体制を取っておくことで、不測の事態を最小限にとどめることができます。
顔合わせは、施設の職員に行ってもらうのが安心です。
まとめ
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恋愛感情は誰もが持つ自然な感情です。
年齢を重ねたり、介護が必要な状態になったからと言って衰えるものではありません。
普段から「恋愛感情は誰もが持つもの」と認識しておくことが大切といえるでしょう。(執筆者:中村 楓)