お墓を建てるためには墓地を取得しなければなりません。
そして、墓地の費用のことを「永代使用料」と呼びます。
どうしてこのような呼び名がつけられているのでしょうか。
この記事では、墓地の永代使用料についての基本的なこと、そして相場や内訳について解説いたします。
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目次
墓地を買うのではなく、墓地の使用権を買う
よく「墓地を買う」という言い方をしますが、これは厳密には間違っています。
正しくは、墓地の「永代使用権」を買うのです。
その区画を購入したとしても、墓地の所有者はあくまでも墓地の管理者であり(公営墓地なら自治体、寺院墓地なら寺院)、利用者は割り当てられた区画の使用権を得たにすぎません。
ですから、万が一墓地が不要になったからといって、知人に転売や譲渡することは固く禁じられています。
墓地の価格は、1平方メートルあたりの単価 × 面積で決まる
さまざまな霊園があり、さまざまな区画があります。
区画によって間口と奥行きの面積が異なるため、それによって墓地の費用は異なります。
平成30年度の東京都営霊園を例に見てみましょう。
多摩霊園の一般埋蔵施設の場合、1平方メートルあたりの単価は90万円です。
この中に、1.80平方メートルから6.45平方メートルと、大小の墓地があるのですが、1.80平方メートルの場合は162万円、6.45平方メートルの場合は580万5,000円です。
当たり前の話に思われるかもしれませんが、墓地の広さによって価格は大きく増減します。
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1平方メートルあたりの単価には地域差がある
面積が広いと価格が上昇するというのはすぐにわかります。
では、1平方メートルあたりの単価はどのように決められているのでしょうか?
墓地の価格は相対的なものですが、傾向としては、地価に比例します。
最も顕著なのは、都心部ほど高く、地方に行くほど安くなります。
また、そのエリア内での人気の度合いにもよります。
東京都の場合、都営青山霊園の1平方メートルあたりの単価は275万8,000円ですが、府中市の都営多摩霊園は90万円です。
同じ都内でもこれだけの差があるのです。
その他、公営霊園と民営霊園と寺院墓地の違い、アクセスのよしあしなど、さまざまな要因が重なって単価が設定されます。
永代使用料の全国平均は77万円
株式会社鎌倉新書の調査では、永代使用料の全国平均価格は77.39万円だそうです。
全国の主要都道府県別に見ると、突出しているのが東京都の119.81万円。
次いで京都府の107.90万円。そして3位が広島県の95.84万円。
その他は70万円台や60円台が並びます。
墓地は、費用だけでなくお参りのしやすさなどから決める
費用は高いよりは安い方がいい。
これは誰もが思うところでしょう。
しかしお墓は大切な家族が眠る場所です。
墓地を購入するときは、その場の雰囲気や、お墓参りのしやすさ、立地やアクセスのよさなど、総合的に判断して決めましょう。(執筆者:五十嵐 信博)