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今からできる認知症ケア
認知症になると症状はひどくなるばかりで、介護するのが大変と思っている人も多いのではないでしょうか。
実は、認知症の症状は環境を整えることで状態が落ち着き、介護の手間を減らすことができます。
そこで、今回は今から取り組める認知症ケアを紹介します。

1. 生活環境を変えない
認知症の人は環境の変化に弱いため、その変化がストレスとなり認知症状が悪化する原因になります。
生活環境や習慣などはできるだけ変えないようにしましょう。
同居などで環境が変わる場合には、それまで生活していた環境に近い状況を再現することが大切です。
例えば、使い慣れた家具を同じように配置したり、本人が行っていた日課を継続するなど、できる範囲で取り入れるとよいでしょう。
また、人間関係を変えないことも重要です。
近所に懇意にしている友達がいる場合には、家に遊びに来てもらったり趣味活動を行っている場所に出向いてみましょう。
なじみのある関係性は、認知症状を落ち着かせることに効果があります。
2. 認知症の人を否定しない

一見不可解に感じる認知症の人の行動には、必ずその人なりの理由があります。
例えば、徘徊する人の場合、子供の頃に育った家に帰ろうとしたり、会社に出勤しようとします。
まずは、どんな理由で徘徊しているのかを話をしながら探っていきましょう。
間違ってもその行動自体を否定してはいけません。
なぜなら、認知症の人には新しいことを覚えられないものの、その時に感じた気持ちはいつまでも覚えているからです。
特に、いやな思いをしたときには、その気持ちがいつまでも残ってしまうため、その相手に対する拒否感が強くなることがあります。
主たる介護者を拒否するようになってしまうと、介護の手間が増えてしまい、ストレスも強くなります。
お互いに生活しやすい環境を整えるためにも、認知症の人を否定する言動や行動は控えるようにしましょう。
環境次第で落ち着ける
認知症の人を介護することは、とても大変なことと思いがちです。
しかし、認知症の人が落ち着く環境を整えれば、症状が落ち着いた状態を長く保つことができます。
落ち着いた生活を長く続けることができれば、介護の手間を減らすだけでなく介護費用をおさえることにもつながります。
まずは、お互いのストレスが少ない範囲での環境を整えることに努めてみてください。
そうすれば、落ち着いた生活を長く続けることも決して難しいことではないでしょう。(執筆者:中村 楓)