人生100年時代と聞いて楽しいと思う人もいれば、不安を感じる人もいるかもしれません。
将来年金が減ると言われる現役世代の人たちは、定年後100歳までどのように生活費を工面すれば良いのか、心配な人もいます。
景気の先行きが不透明な現在では、年齢に関わらず多くの人が老後貧乏予備軍であるとも考えられます。
そこで今回の記事では老後のお金に困らないために意識したい3つの事をご紹介します。
目次
1. 貯蓄と運用でできる限り資産を増やしておく
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老後の自分を助けてくれるのは何よりもまず
現役時代に貯めたお金です。
60歳で定年退職して100歳まで生きるとした場合、その時間は40年です。
現役で働いていた年数とほとんど変わらない程の時間を無収入で過ごさなければなりません。
年金に頼るつもりでいても、少子高齢化が進む現代では年金の支給年齢引き上げや減額も避けられません。
さらに物価の上昇により現金の価値が落ちていくことを考えると、今の生活をベースにしているとすぐにお金が足りなくなってしまいます。
いくら貯めれば良いのか
明確な答えは誰にも分かりませんが、筆者の場合は簡易的に以下のように計算して老後資金を用意しています。
物価の上昇やアクシデントによる予定外の出費を含めて、老後の年間生活費は現在の生活費の1.5倍としています。
そのうち年金で賄える部分を引きますが、このまま少子高齢化が進めば現段階での年金受給予定額より減額されることが予想されるため、ここでは仮に80%としています。
現段階での自分の年金受給予定額は日本年金機構が運営する「ねんきんネット」で簡単に計算できるので、ぜひ見てみてください。
そのあとに掛けている「40」は定年後から亡くなるまでの年数です。
この計算により必要資金を求めたら、以下のように計算して今貯めるべきお金を調べてみてください。
ここでは定年を60歳としています。
必要貯金額を見て、どう感じるでしょうか
多くの場合は、「1年間でこんなに貯めなきゃいけないの?」と焦るような金額になるはずです。
貯金だけではどう頑張ってもこの金額を用意できない…という場合には、資産運用を検討する必要があります。
まだ何も始めていないという人はiDeCoだけでも始めておかないと、老後貧乏のリスクは確実に高まります。
運用と言ってもギャンブルではないので、心配性な人であれば債券を中心に投資するなど安定した方法を選択できます。
そして上記の式で分かるように、現在の年齢が若ければ若いほど、そして定年する年齢が遅ければ遅いほど貯金や運用の負担は減ります。
現在の年齢は変えることができないので、働く時間を長くできるように工夫すると破産のリスクを減らせます。
2. 働き方を見直す
働く時間を長くするためにもいろいろな方法が考えられます。
中でも最も大事なのは健康です。
不健康だと働けないばかりか入院費・治療費がかさんですぐに破産してしまいます。
体に気になる事がある場合は早めに対処し、健康でいられるようにしたいです。
次に定年後に働ける環境を早い段階で用意しておく事も重要です。
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現在勤めている職場の再雇用制度や知人の会社、事業所などは定年前からよくチェックしておく必要があります。
そしてそれ以上にリスクヘッジに有効なのが収入源を複数持つ事です。
2018年は副業元年として話題になったように、近年では複数仕事を持つことを推奨する流れができてきています。
副業をすれば貯金できる額は確実に増えますし、本業の定年後にも副業を続けることで収入を絶やさない事もできます。
現在の勤め先が副業禁止としている場合にも、将来収入に繋がりそうな趣味を始めてみると先々役に立つかもしれません。
3. 歳をとるほど人付き合いを大切に
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これまでの話と関係なく思われるかもしれませんが、「孤独である事」というのも老後貧乏に陥る大きな原因の1つです。
親族にバレるのが怖くて生活保護の申請もできないケースなど、困った時に頼る人がいない状況というのは貧困を加速させます。
また、人付き合いが全くないと生活にハリがなくなり、心身の老いも早く進行してしまいます。
特に都会ではご近所づきあいも少ないので、困った時に助け合う事ができません。
人付き合いの多い人は定年後に仕事に困っている時に知人から紹介してもらえたり、農作物やおかずを分け合ったり、日々の生活の中で救いになる事が多くあります。
若い現役世代が定年する頃にはシェアハウスなどの事業も一般化するかもしれません。
歳をとるほど家族・親族はもちろんの事、周囲の人と円満な関係を保てるように努力する事が必要です。
最も恐ろしいのは孤独であるということを意識し、周囲の人々と長い付き合いができるように今から努力を始めておくと、老後も互いに抵抗なく助け合う事ができるかもしれません。
人生100年時代を楽しく
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昔は長寿であるほどめでたい事とされていましたが、経済状況が不安定な中で100年も生きるとなると不安も多くのしかかります。
人生の後半を不安だらけで過ごすのは悲しい事です。
安心して老後の時間を謳歌できるように、今からできる限り準備しておきたいものです。(執筆者:島村 妃奈)