「保険を見直すとこれだけお金が浮いた」というように、保険を見直しを勧めるCMや広告をよく目にします。
こういったCMを見て気になっているという方は大勢いらっしゃいますが、実際に保険の見直しや相談をする人というのは、ごく一部の方です。
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保険をそのままにしてしまう本当の理由

保険の見直しに興味はあるけど、そのままにしてしまう理由に「普段忙しい」、「どこに相談すればいいのかわからない」という言葉をよく聞きます。
確かにそれもあるかもしれませんが、1年も2年も週末の数時間が空けれなかったり、探せば保険について相談する窓口というのは、今の時代は沢山見つけられるはずです。
忙しいから、相談先がわからないというのは、理由の一部であって、実は保険の見直しができない本当の理由は他にあります。
追認へのバイアス

経済活動の中で人は必ずしも合理的に行動しない、という観点に着目した行動経済学の中で、「人はひとつの考えに固執してしまう」というものがあります。
これは行動経済学で追認へのバイアス(偏見)と呼ばれています。
保険を見直せば、保険料が浮いて得するかもしれないとわかっていても、最初に契約した内容で現状問題が無いので、わざわざ時間を使って保険について考えたり、相談をするという面倒な行動をしたがりません。
他の例えでいうと、パソコンを購入してから設定を初期設定(デフォルト)のまま使い続けてしまうのと同じことです。
もしかすると自分にとってもっとピッタリの設定などがあるのかもしれませんが、現状で差支えが無い上に、わざわざ調べたり人に聞いてまで設定を変えようとしないのと同じです。
特に保険は万が一の時の為のもので、それがどう役に立つのか本当にわかるのは、問題が起きた時という商品の性質があるので、今のままで特に問題がないので、そのままでもいいかという状態になっています。
保険だけではなく他にも

もちろん、保険以外にもこの追認へのバイアスは様々な場面で関係してきます。
一番顕著なのが、スマホなどの通信料金です。
あまりスマホを使わなかったり、自宅でWIFIがある所でしか使わないという方は、プランを下げるか格安スマホに乗り換えるとグンと料金が下がる可能性も高いのですが、購入時に決めたプランや携帯会社をなんとなく続けてしまうという事があります。
他には電力の自由化によって、見直すと電気代が安くなるという事もあります。
保険はライフイベント毎に見直す

保険の見直しのご相談後に頂く声には、見直しをやってよかったという声に加え、もっと早めにやればよかったという声も沢山頂きます。
もちろん、中には最適な保険に加入し直すと、逆に料金が上がってしまったという事もありますが、保険の見直しの本質は保険料を安くする事ではなく、最適な保障に加入する事です。
万が一の事があっても、ご自身や家族が安心して暮らしていけるように、加入時の内容や考え方に固執せずに、ライフイベント毎に臨機応変に見直していくことを心がけましょう。(執筆者:西田 凌)